学部・大学院

「学び」と「実践」を通じた人材育成

宗学コース

夏期仏教研修道場(比叡山居士林道場)の報告 その1

仏教学科 勝野隆広

 大学が夏休み中の8月21日から24日まで、三泊四日の仏教研修を比叡山西塔にある居士林道場で行いました。この研修は、仏教精神を建学の精神とする大正大学に学ぶ学生が、少しでも仏教の実践修行に触れ体験するための研修ということで、真言宗智山派の総本山である智積院、真言宗豊山派の総本山である長谷寺、浄土宗総本山である知恩院を道場に各年で行われる女子研修道場と、天台宗の総本山である比叡山を会場に毎年行われる比叡山研修道場があります。大正大学設立母体である各宗の本山で、僧侶が行う修行を体験できるという貴重なプログラムです。ですから大正大学に在学する学生ならば学科学年を問わず誰でも参加できる研修となっています。
 研修初日、比叡山上にある研修会場(居士林)に集まった十五名の学生は、みな緊張の面持ちのなか開講式に臨み、慣れないお経を読みながら研修は始まりました。

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 さて、最初の修行は、坐禅止観です。比叡山西塔の釈迦堂(重要文化財の建物)で、比叡山の僧侶の指導のもと坐禅止観を行います。

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 止観とは、足を組み身体を調え、呼吸を数えることに神経を集中しながら、自分の心の動きを観察する修行です。一度姿勢を調えたら、身体を動かすことも物音をたてることも一切禁じられます。30分間、ただ坐禅を組み、自分の呼吸の出入を数えることだけに集中するのです。途中、指導の僧侶が、身体のゆがみを正すための背中に当てる禅杖の「ビシ、ビシ、ビシ」という音だけが堂内に響きます。高々30分。けれども非常に長く感じられる30分を過ごし、普段は気づかないようなわずかな物音や、集中しようとしてもコロコロと動いてしまう心の不安定さを実感する修行を行いました。

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