学部・大学院FACULTY TAISHO
宗学コース
水曜勤行(真言豊山担当)の情景
水曜勤行(真言豊山担当)の情景
─重文・阿弥陀如来さまの御宝前にて─
仏教学科 大塚伸夫
さる平成22年9月29日水曜日、大正大学仏教学科に所属します真言豊山学・学生会の皆さんが、大正大学のご本尊・阿弥陀如来さまがご安置されている礼拝堂にて、恒例の水曜勤行を行いました(写真の仏さまこそ、大正大学のご本尊さまで、重要文化財に指定されております)。
この水曜勤行は、大正大学の設立母体であります天台・真言豊山・真言智山・浄土の各宗派の学生さんが主体となって、毎週水曜日のお昼休み時間に持ち回りで行われています勤行式です。その形式は、各宗派の皆さんにお任せとなっておりますので、毎週水曜日ごとに、各宗派の特色ある法要を見ることができます。これこそ、大正大学ならではと申せましょう。
入場自由です、どうぞお気軽に勤行式にご参加ください!
当日は、豊山の学生会の皆さんが、総本山長谷寺にて研修された朝勤行の法則次第にもとづいて、水曜勤行を行いました。写真は、ちょうど授業2限の終了チャイムと同時に、黒衣を身にまとった皆さんが進列するところです。進列の際に打たれる引金(いんきん)の音、鳴り響く法螺貝(ほらがい)の法音によって、お昼時の学内は、しばしの厳粛な雰囲気につつまれたのでした。
前日からお天気が心配でした。でも、この日はよく晴れ渡り、清々しい気持ちで礼拝堂へ進列することができました。これも仏さまのおかげと感謝する一同でした。
礼拝堂の中に入堂すると、職衆(法会を行う僧侶)はみな、本尊様以下の諸仏諸菩薩さまに対して三回お辞儀をする「三礼」を行い、着座します。写真は、ちょうどその三礼を終えようとしている場面です。およそ、勤行式の流れは以下のような内容でした。
先 入堂・三礼・着座
次 護身法
次 奠供(鐃鉢上段)
次 九條錫杖
次 般若心経(太鼓・音木)
次 観音経偈文(太鼓・音木)
次 諸真言(仏眼小呪・本尊真言)
次 三祖宝号
次 廻向
次 三礼・退堂
着座して準備が整いますと、本尊様を始めとする諸仏諸菩薩に「奠供(てんぐ)」と呼ぶ声明を唱えます。その後、有名な『般若心経』や『観音経』をお唱えするのですが、当日のハイライトは何と言っても太鼓でしょう。太鼓を担当した方は、総本山長谷寺で二年間も修行を積んだ学生さんでしたから、通称「本山仕込み」のリズムはたいへん素晴らしいものでした。法要を見学しに来ていた観客一同、感激したところです。
太鼓とタク(音木)のリズムに合わせて、他の職衆たちは、一生懸命になってお経をお唱えします。目をつぶっている者、大きく目を見開きお唱えする者、一人ひとり個性がありますが、皆一様に一心不乱です。そんな姿を見ていると、観客の私たちも思わず感動してきます。最後は、お唱えする者とか、聞く者とかの区別もなく、堂内は悦びの充足感に満たされたのでした。
皆ともに法要の悦びで満たされた後、職衆一同は、礼拝堂より退堂いたします。この時もみな笑うこともなく、厳粛さを保っておりました。立ち居振る舞いそのすべてが、見る者を感動させたからでしょう。
こうして、豊山学生会の皆さんによる水曜勤行は終了しましたが、毎週水曜日のお昼休みには、ぜひ礼拝堂に足を運んでいただき、学生さんたちの「ひたむきさ」をご覧いただきたいと思います。学外の、あるいは入学したいと考えている受験者の皆さまも、ぜひこの機会にご見学くださることをお願い申し上げます。大正大学仏教学部では、普段の学生生活のなかでも宗教的な体験・修練をめざして日夜がんばっておりますことをご報告させていただきました。閲覧ありがとうございました、合掌。