学部・大学院FACULTY TAISHO
宗学コース
【真言学研究室だより】悉曇②(真言智山)
悉曇そのものは、奈良時代から既に伝来していたとされています。
しかし本格的に日本で悉曇が注目されるのは平安時代になってからです。特に真言宗の開祖弘法大師空海は悉曇を重要視し、梵字悉曇関係の文献を組織的に請来し、また自身も『梵字悉曇字母幷釈義』など悉曇に関する著作も記され、日本における悉曇の基礎を確立したとされています。
また空海を含めた入唐八家と呼ばれる中国(唐)へ留学して学んできた真言・天台の僧侶は、そのいずれもが多くの悉曇関係文献を請来したり、悉曇の優れた書き手であったことから、別名悉曇八家と呼称されます。
この入唐八家が請来した文献を研究しまとめたのが、天台宗の僧侶五大院安然であり、その著作が『悉曇蔵』です。この入唐八家や安然をはじめ、前回紹介した慈雲尊者や澄禅上人など多くの僧侶の研鑚努力により、現在においても悉曇が継承されているのです。
写真は真言智山学コースの悉曇の授業です。
小峰先生は、現在放送のNHK大河ドラマ「平清盛」劇中の仏事指導を担当されているそうです。
こちらは授業で用いる資料の一部です。
お手本となる資料を見ながら・・・上手く書けているでしょうか?
先生に直接指導をしていただきます。
今回は二回にわたり真言学(豊山・智山)悉曇の授業を取り上げてみました。なお大正大学では天台学コースでも同様に悉曇の授業が行われています。
仏教学科非常勤講師 舎奈田智宏
写真協力 仏教学科副手 谷萩弘樹