学部・大学院FACULTY TAISHO
宗学コース
【真言学研究室だより】悉曇(真言豊山)
今回は仏教学科の授業「悉曇」を紹介します。
悉曇の授業は仏教学科宗学コース、真言智山、豊山、天台の三宗派の学生が主に三年生(含編入生)の時に受講する講義です。
悉曇は、塔婆の上の部分に書かれる文字として一般的に知られています。
現在塔婆にて用いる悉曇は、限られた文字しか用いられませんが、各文字の組み合わせにより音を表現するもので、「悉曇十八章」と呼ばれるほどの膨大な文字数があります。
悉曇の起源は、インドの梵字が基となっており、やがて中国・日本へと伝わってきました。正倉院にある小野妹子請来とされている貝葉に書かれた梵字の『般若心経』などは、その代表的なものであるといえるでしょう。
現在の悉曇の形は、江戸時代の僧侶により書かれたものが基本となっているそうです。特に慈雲尊者や澄禅上人の二人は日本の悉曇の歴史上欠くことができない優れた悉曇の書き手であり、現在我々が学んだり本等で目にする悉曇の多くは、この二人の僧侶が書かれたものを基にしているといわれています。
写真は真言豊山学コースの授業の様子です。
熱心に授業を聴く学生さん
習字道具を一式用いての講義となります
悉曇を上手に書くことができるようになり、また字義などその意味内容をしっかりと理解するには何年もの勉強が必要となります。
大学ではその悉曇の基礎の部分だけですが授業にて講義が行われ、悉曇を書く練習も行います。
最後に提出して先生に見ていただきます。
仏教学科非常勤講師 舎奈田智宏
写真協力 仏教学科副手 谷萩弘樹