学部・大学院FACULTY TAISHO
宗学コース
【仏教学科だより】成道会②
12月5日水曜日に行われました、大正大学成道会の様子(2回目)です。
今回は、大正大学での法要とBo’zコレクションの様子です。
先ずは礼拝堂前でおこなわれた、今年の目玉であるBo’zコレクションの様子から。
各宗派から先生と学生さんが参加してくれました。
それぞれ四宗派の代表的な衣を着ていただきました。
天台宗
勝野先生(右)は、紫の法衣に紋白五條と呼ばれる袈裟を着ています。天台に限らず、紫の衣は僧正等の高い僧階(お坊さんの位です)を持った僧侶が身に纏う事が許されます。なお緋色の袈裟には、白で天台宗の宗紋である十六菊紋に三諦星があしらわれています。
末廣先生(左)が着ている藍色の法衣は松襲と呼ばれるものです。天台宗では僧正よりも位の低い、権大僧都・大僧都が着用します。紫に見えますが、用いられる糸が赤と緑であるため紫に見えています。袈裟は同様に紋白五條ですが、こちらは紫の布地に白で紋様があしらわれています。
木内先生(右)が着ているのは、袍裳と呼ばれる緋色の法衣です。天台・真言系で最高位に位置する礼装で、古くは宮中への参内等に用いられました。袈裟は七條袈裟です。全身を纏うように着ける大きな袈裟です。これも天台宗だけでなく真言宗や浄土宗など各宗派で用いられ、位の高い僧侶のみが着る事を許される袈裟です。
秋田助手(左)が着ている衣は、緑色をしていますが、正式には萌黄と呼ばれる色の衣になります。同様の色は今回智山、浄土の学生さんも着用しています。襟まわりから胸にある白い布は帽子と呼ばれるもので、秋から冬頃に用います。多くの宗派で用いられます。
学生さん(中央)が着ている衣は、茶色ですが木蘭と呼ばれる色になります。黄色や茶色に似た色を木蘭といい、今回お練りに参加した真言豊山、智山、浄土の各宗派の学生さんが着けていた袈裟もこの木蘭の袈裟です
真言宗豊山派
大塚先生が着ているのは紫衣の法衣で直綴と呼ばれる衣です。紫色の衣は、天台宗同様僧正位の僧侶が着ることができる衣で、直綴は色や形が多少異なるものの多くの宗派で用いられる衣です。上に着けている袈裟は、模様は異なりますが木内先生と同じ七條袈裟です。
学生の二人が着ているのは、黄色と黒と色は異なりますが、直綴と呼ばれる法衣です。黒衣は主に「僧階(僧侶の位)」を持っていない僧(大正大学では学部生)や修行する僧侶が着る衣で、「僧階」を持つと中央の学生のような色のついた衣を身に纏うことが許されます。その上に着けているのは共に如法衣と呼ばれる袈裟です。
真言宗智山派
本多先生が着ているのは紫衣の法衣です。袈裟は勝野先生同様紋白五條ですが、色は緋色で智山の宗紋である桔梗があしらわれています。
学生さんが着ているのは、共に色衣です。中央の学生さんが着ているのが萌黄の法衣で、紋白の紫五條袈裟を着けています。左の学生さんが着ているのは木蘭の法衣です。木蘭の法衣は、僧階に関係なく一般的に用いられる衣で、例えば朝の勤行などでは紫や緑の色の法衣を身に纏う事が許される僧侶でも、木蘭の法衣でお勤めをすることがあります。
浄土宗
渡邊先生が着ているのは紫の法衣(道具衣)です。僧正以上の僧侶が着ることが許されます。天台宗の衣(素絹)とは裾の部分が異なります。袈裟は七條袈裟で、水冠と呼ばれる帽子をかぶり、手には払子を持っています。
西白先生が着ているのは松襲の法衣です。僧都以上の僧侶が着ることができます。天台の末廣先生が着ているのと同じ名前の衣です。袈裟は五條袈裟ですが浄土宗ではこれを大師五條といいます。袴に差貫、頭に被っているのは誌公帽子と呼ばれるものです。
荒木先生(右)が着ているのは萌黄の衣ですが、浄土宗では香衣と呼びますです。袈裟は五條袈裟(大師五條)です。左の池田先生が着ているのは茶衣で、袈裟は木蘭の如法衣になります。浄土宗の修行道場で、修行僧を指導する僧侶が身に着ける衣です。
いかがでしたでしょうか?実際の衣は今回紹介されたものだけではありませんし、衣や袈裟は、宗派間で同じものを用いたりする一方で、同じ衣や袈裟でも模様や色、形や着こなし方や呼び名が違う場合があります。それらを説明しだすとおそらく本の一冊もできるくらいでしょう。
今回は多くの方に少しでもお坊さん、ひいては仏教に興味や関心を持っていただければとの思いで企画されたBo’zコレクション、皆さんの目にはどう映り、どんな感想をお持ちになったでしょうか?
コレクションの最中演奏をしてくれた大正大学雅楽部の皆さんです。
司会者も頑張ってくれました。各宗派の説明お疲れ様でした。
また成道会の最中は、参列の皆さんの諸願成就と先日スタートした就職活動の成功を祈願して、護摩も厳修されました。
今年は真言宗豊山派と智山派から、二人の学生さんが護摩を焚いてくれました。
Bo’zコレクション終了後に行われた成道会法要の様子です
表白文を読誦する勝崎裕彦仏教学部長
多田孝文大正大学学長の御挨拶
最後は豊山派学生による太鼓・六大響の演奏が行われました。
本年度も多くの方の御参加をいただき、無事成道会を成満致しました。
厚く御礼申し上げます
仏教学科非常勤講師 舎奈田智宏
写真協力
綜合佛教研究所研究員 鈴木行賢
仏教学科大学院研究生 沼倉雄人
仏教学科大学院生 石井正稔
同 松本 淳
大正大学写真部の皆さん