学部・大学院FACULTY TAISHO
宗学コース
仏教研修Ⅱ 長谷寺女子研修道場
8月26日から29日までの4日間。奈良県桜井市にある真言宗豊山派総本山長谷寺で、女子研修道場が開かれました。
長谷寺の歴史は古く、飛鳥の時代、道明上人が現在国宝となっている「法華説相銅版図」を作成し、天皇の病気平癒を祈った事からその歴史は始まります。また『日本書紀』や『万葉集』において「隠国(こもりく)」と称されるように山々に囲まれており、特に目の前の与喜山は、天照大神が最初に降り立った地とされ、同時に天神信仰の始まりの地であるとされています。このように、神仏の隔てなく人々に古くから信仰されてきた土地に長谷寺は建立されたのです。
さて今年度の研修道場は、24名の学生さんが参加してくださり、非常に充実した研修となりました。
道場となった長谷寺の僧侶の方の丁寧な指導もありましたが、何より学生さん方のやる気が高かったことが大きな要因であったといえます。
朝の勤行に始まり、掃除、食事の用意、そして9時から講義や山内の諸堂参拝、写経などなど、夜までびっしりとプログラムが組まれています。正座や仏教に関する授業や話など慣れない点も多かったと思いますが、それでも学生の皆さんは、一生懸命講義を聞いていましたし、班ごとでの行動や集合時間をきちんと守るといった基本的な事から、各プログラムでの積極的な行動など、仏教を体験することを通じて、自分自身を磨こうという姿勢が非常に伝わってきました。
中には仏教研修Ⅰ「比叡山居士林研修道場」から引き続いて参加して下さった方、昨年に続いて参加してくれた学生さんもいました。
この女子研修道場は、毎年各宗派本山持ち回りで行われています。
学科や学年関係なく参加でき、仏教を実際に体験できる機会でもあります。
道場となる各本山でも大正大学からの学生さんがいらっしゃるということで、色々と準備をしてくださっていますので、毎年非常に充実した研修となっています。
それでは実際の研修の様子をご覧いただきます。
まずは朝の勤行の様子です。毎朝7時、涼やかな空気と朝の日射しの中、本堂外舞台前、御本尊十一面観世音菩薩のお膝もとで『錫杖経』や『観音経』を読誦します。最初は慣れない読経も、最終日になると長谷の僧侶の方の声に合わせて一緒にお称えすることができるようになってきます。
初日・二日目は、この研修道場の担当教員である小山先生の講義が中心となります。『観音経』の講義などが行われました。
本山 喜多執事のお話。長谷寺の歴史についてお話をして頂きました。
二日目午前中には長谷寺僧侶の方による山内諸堂参拝が行われました。『源氏物語』に登場する「二本(ふたもと)の杉」、国宝となっている本堂(大悲閣)を始め山内各所を案内していただきました。
最後に案内をして下さった長谷寺のお坊さんと記念写真。
食事は全て精進料理です。配膳は学生が行い、食事の前には食事作法が、夕食事後には施餓鬼作法が行われます。
また三日目には古寺巡礼で飛鳥寺、岡寺。室生寺を参拝しました。各寺院では丁寧なご案内を頂きました。ありがとうございました。
他にも豊山流大師講、池戸先生による御詠歌の講習
夜、就寝前には数息観(座禅行)。
三泊四日の短い研修でしたが、学生さんそれぞれにが体験したことを、これからの毎日の生活に生かしていただければと思います。
今回の研修道場で特にご尽力いただいだ、大正大学学生部の上田さん(右)と長谷寺教務部の山岡さん(左)です。お二人ともありがとうございました。
最後に、研修道場を開講させていただいた総本山長谷寺を始め、ご協力いただいた関係各位の皆様。この場をお借りしてあらためて御礼申し上げます。
仏教学科非常勤講師 舎奈田智宏