学部・大学院FACULTY TAISHO
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宗学コース
台友会主催・声明公演「ほとけの世界につつまれて」
昨年末の行われた台友会(天台学研究室内)主催における声明公演の様子をご紹介いたします。
声明とは、仏教儀式に用いる伝統的な声楽です。経文や仏・菩薩を讃える文言を豊かな旋律にのせて僧侶がお唱えするものです。
仏教学科宗学コースの学生は週二回の「法儀研究」の講義で、仏教儀式・法要の所作、声明や経典の唱え方について実習しています。この公演は、天台宗の学生が中心となって日頃の研鑽をお披露目する機会です。
本年度は、慈覚大師1150年ご遠忌にあたります。慈覚大師円仁様は、日本に天台宗を開いた伝教大師最澄様のお弟子です。伝教大師と同様に遣唐使船で唐(中国)に渡り、今日の天台宗の基礎となる多くの教えを日本にもたらしました。声明の日本への伝来も慈覚大師の大きな功績のひとつです。そこで、慈覚大師の業績に思いをよせての公演となりました。
以下、その模様を写真でご覧ください。
第一部は慈覚大師が中国より伝えたとされる「常行三昧」という法要です。
第一部 常行三昧 次第
衆罪伽陀・三礼・七仏通戒偈・黄昏偈
法則・四奉請・甲念仏・阿弥陀経・甲念仏
合殺・廻向・後唄・廻向伽陀
本年度は、常行三昧のお導師を初めて尼僧さんが勤めました。
来場された方には、“お導師の女性の声明が綺麗な声でした。”“又聞きいてみたい”などなど、とても好評でした。
第二部では、雅楽とのコラボレーションにて「散華・対揚」という法要を行いました。
第二部 散華・対揚 次第
奏楽(皇麞急)・四智梵語讃・云何唄・散華(甲様・上段)・対揚
奏楽(越殿楽)・諸天漢語讃・おつとめ・奏楽(陪臚)
雅楽は大正大学雅楽倶楽部の学生にお願いしました。
また、この声明公演は、学内の様々なクラブや学生に協力をお願いしています。
休憩時間には、お茶によるご接待を茶道部の学生にお願いし、ご来場の皆様の喉をうるおしていただきました。また華道同好会には生け花を展示してもらい、会場を華やかにして頂きました。
他にも、この公演の撮影を表現学部・放送映像表現コースの学生にお願いし、受付や三陸復興夢タコ鎮の販売もいろいろなゼミの学生にお願いしました。その他、多くの方々のご協力にて無事に公演を終えることが出来ました。今回の公演では、立ち見の方も出るほど多くの皆様にご来場いただきまして、大盛況でした。
以下、会場のアンケートからいくつか転載いたします。
・女性の声明美しく聞きほれました。
・こころが浄められるような、善い声明公演でした。
・荘厳の中いつもいやされます。今回、女性の方、美しくりりしい声で良かったです。
・お茶とお菓子のおもてなしがとっても嬉しかった。
・なかなか声明公演を体験する機会がないので有難いことだと思っています。
・こころ安らかに過ごせた一時、ありがとうございました。
声明公演は恒例行事として、毎年十二月の中旬の土曜日に礼拝堂にて行う予定です。今後も沢山の皆様のご来場をお待ちしております。