学部・大学院

「学び」と「実践」を通じた人材育成

日本史コース

フィールドワーク報告

武蔵野フィールドワーク  5月25日(日)

 

 日本史専門演習A・大学院地理学特論Bの講義合同で、近世の日本の中心地「江戸」の発展に大きく影響した『玉川上水』と武蔵野の『新田集落』について、東京西郊の立川市・小平市でフィールドワーク(実地見学)を行った。
 巨大な人口を抱えていた江戸の生活用水を賄うために、1653年に40km以上にも及ぶ水路が、多摩川から取水して四谷大木戸まで開削された。維新以降も淀橋浄水場(現新宿副都心)まで水を供給していた。1960年に東村山浄水場が建設されるまでは水路一杯に水を流していたが、現在は親水空間として浄化された処理水が流され文化遺産として保存されている。

 

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 ▲保存されている現在の玉川上水。

 同じように大都市となった江戸の街に食糧を供給するために郊外で多くの農地の開拓[新田集落の開発]が行われた。奥多摩の青梅と江戸を結ぶ青梅街道沿いにも路村形態の新田集落が多く拓かれた。江戸中期に開拓された小川新田(小平市)もそのひとつで、短冊状の地割り形態の景観が現在でも確認できる。玉川上水から分水した小川用水がこの集落の生活用水を賄っていた。

 

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▲胎内堀り:シールド工法(たぬき堀り)によって掘られた小川用水(分水)トンネルの出口。

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 僅かに残されている新田地割りの農地。都市化の波が押し寄せてきている。

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▲かつては畦畔茶園としての茶の木も多く見られた。耕作土の風食防止にも有効であった。

 

 フィールドワークをすることによって、自分の目で見てその場の環境、雰囲気を体験することによって、歴史的事象をより深く理解することができるようになるでしょう。

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