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「学び」と「実践」を通じた人材育成

日本文学科

【新設科目授業紹介】日本文学実践演習

大正大学文学部の日本文学科では、2021年度の新入生から秋学期の上半期に「日本文学実践演習」と「日本文学踏査」の新設科目をスタートさせました。いずれも、本を読むことだけではない文学の研究に触れることを目的とする授業です。

本記事においては、まず渡辺麻里子先生が担当された「日本文学実践演習」(以下、実践演習)のご紹介をします(次の日本文学踏査についてはこちら)。実践演習では、古典を現代に伝えてきた和本(和紙でできた和装本)という「モノ」を通じて、日本の文化を学ぶことを目的としています。

大正大学の附属図書館には、非常に多くの和本が所蔵されています。本授業では実際に大正大学の準貴重書に指定された和本を用いて、その扱い方や調査方法を学ぶことが出来ます。また、そのくずし字の解読方法を学ぶにあたっては、AI学習を用いた最新のOCRソフトの講習を受けて、ソフトの操作も体験することが出来ました。以下は、実際の授業風景です。


和本を手に取ってみます。

寸法も測ってみましょう。

くずし字OCRを使うとAIの補助を借りた読解が可能です。

左下にご注目。最後に判断するのは人の力。自分でも考えます。

巻子本(巻物)を巻く練習も行いました。

和本のとじ方(和とじ)の体験をしているところです。
 
受講した学生の皆さんがくずし字OCRを使ってみた感想をいくつかご紹介します。
 
・とても便利だった。自分で手書きで何回も書いて覚えるよりソフトを使用したほうが効率がよく、さらにわからないものは仮名変体集を使って調べれば自力で読み進められるのでとても良かった。
・マイページでいつでも翻刻などができるため、予習・復習にとても役に立つとともに、授業共有ページで答え合わせなど再度確認できるのも自分の知識習得に活かすことができました。
・自分で文字枠を作って、それを自力で翻刻するという機能に何度も魅力を感じながら取り組んでいました。また、読み取れないくずし字をAIの機能を使って、理解できるのも魅力的でした。
 
1年生の皆さんが、自学自習に活用しつつ、くずし字を読む魅力に気付いていただけたようでとても良かったです。

日本には、各地域に和本が手つかずのまま眠っています。日本文学科としては、実践演習の授業が和本を扱える専門的な研究者、学芸員、図書館司書などを目指すきっかけになってくれればと考えています。

大正大学文学部 日本文学科
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