学部・大学院

「学び」と「実践」を通じた人材育成

日本文学科

【日本文学科】課外活動・2022年度春期特別講義(第2回)を開催しました

2023年3月7日(月)に、課外活動の一環として春期特別講義(第2回目)を開催しました。

今回は、宮内庁書陵部主任研究官の田代圭一先生をゲスト講師としてお招きしました。
ご講義のテーマは「日本の資料をまもり、伝える―皇室に伝わる資料を中心に―」でした。

宮内庁書陵部が所蔵する資料を中心に、主な所蔵資料とその伝来、貴重な資料群の保全、管理に関するさまざまな技術や工夫などについてご講話いただきました。

わが国に伝わる数多くの貴重な文物・古典籍を守り伝えてきた先人たちが直面した数々の困難とその克服のエピソードや、先人たちの遺志を受け継いで未来にまもり伝えていこうと尽力なさる姿勢はたいへん印象的でした。また、書家でもいらっしゃる田代先生のお仕事ぶりの一端についてもうかがうことができました。

 
特別講義に続いて、大正大学附属図書館の協力のもと、本学が所蔵する貴重書の数々を展観する時間も設けられました。原資料を前にして、田代先生から書誌学的な話題も含め数々の貴重なお話をうかがうことができました。

前回の上代文学特別講義と同様に、今回も多くの有志学生が積極的に参集してくれました。以下、講義後に寄せられた感想を、一部を要約・抜粋する形でご紹介します。

【学生の感想】
(1)宮内庁の中でも扱う文物によって部署が複数あり、それぞれの仕事の内容も異なっていること、資料の筆写方法や修繕の事例、書陵部の詳しい仕事内容やその成り立ちなどを知ることができて勉強になりました。
 
(2)資料保存の難しさなど、実際に保存に尽力していらっしゃる田代先生のお話や、職員の方々のお写真などを拝見し、その困難さについて実感をもって知ることができたように思います。

(3)関東大震災や戦時中など、貴重な資料を守り抜いた当時の職員の方々には尊敬の念を抱きました。今後、私自身が和本を扱う際には、本日の講義を思い出し、資料に丁寧かつ真摯向き合いたいと感じました。

(4)授業や課外活動で何度か和本に触れたことはありましたが、田代先生の御講義を受けた後で、管理や保存の困難さをわずかながら知った身としては、いつも以上に気が引き締まりました。

(5)昔からの資料が遺されているのは、災害や困難などありながらも、たくさんの人が後世に伝えるために一所懸命守っていたお陰だと知ることができました。

 
日本文学科では、和本や古資料に実際に触れる機会が提供される「日本文学実践演習」や、日本文学に所縁のある土地や文化施設などの実地に足を運ぶことを通じて学びを深める「日本文学踏査」などの授業も開講されています。前回と今回の特別講義に参加してくれた学生の皆さんの中には、かつて「実践演習」や「踏査」を受講したことがある方もいらっしゃいました。

今回の特別講義および貴重書展観を通じて、参加者それぞれが理論と実践を往還する楽しさを体感しつつ学びを深めることができたのではないかと思います。田代先生、この度は貴重なお時間を頂戴し、有意義なご講義をいただき誠にありがとうございました。

*本特別講義は、大正大学文学部日本文学科が採択された、2022年度学長裁量経費の補助を受けています。

大正大学文学部日本文学科では、これからも学生の主体的な興味・関心に応えるべく、様々なイベントや取り組みを行っていく予定です。Twitterもありますので、ぜひチェックしてください。
 
大正大学文学部 日本文学科
GO TOP