学部・大学院

「学び」と「実践」を通じた人材育成

日本文学科

【日本文学科】日本文学踏査(その1)【授業紹介】

大正大学日本文学科の授業紹介、秋学期の第二弾は、1年生から受講できる「日本文学踏査」です。日本文学踏査は、将来学芸員や国語科教諭、司書などを目指す学生の皆さんに、本格的な資格履修の前に体験的活動を行うことで、物事を観察し、考え、人に伝える力を養うことを目指しています。


日本文学踏査開講3年目の本年度は、図書館にもご協力をお願いして1回目から図書館の展示の見学を実施しました。折しも、大正大学附属図書館蔵の室町時代の『源氏物語』や、後世の『源氏物語』を受容した資料を展示中の「源氏物語展」が開催中でした。江戸時代の資料の専門家である田中仁先生や、『源氏物語』の研究者である古田正幸先生の解説付で、充実した資料見学ができました。


「源氏物語展」見学の様子

受講生の皆さんも、博物館や美術館にあるような資料が、自分の通っている大学の図書館に所蔵されていて、間近で見ることができることに驚いていたようです。今回はケースの中でしたが、授業によってはもっと間近に調査を行うことができるものもあるので、楽しみにしてほしいところです。
 

2回目の授業では、田端文士村記念館の館長補佐で、研究員でもある石川士朗先生にお越しいただいて、学芸員の実際のお仕事や活動についてお話をいただき、その後で巣鴨周辺の実地踏査に出掛けることができました。石川先生には巣鴨までご一緒いただき、立ち寄った芥川龍之介の墓所で貴重な解説をいただきました。

石川先生の解説:学芸員を志すようになったきっかけに興味津々でした。


巣鴨庚申塚における田中先生の解説

実際に受講中の1年生のSさんから、石川先生のご講義について感想を寄せていただいたのでご紹介します。


私が石川先生から伺った話の中で特に勉強になったのは、文学や芸術を広めていくために、既存のアダプテーション作品とコラボされているということです。伺ったお話によると、博物館法の一部が改正され、美術館や文学館、記念館などでは、多様な主体との文化観光による連携が奨励されているそうです。例えば石川先生が働いていらっしゃる田端文士村記念館では、文豪を題材としたゲーム作品の『文豪とアルケミスト』とコラボした展覧会やグッズ販売を行ったことがあるそうです。
また、石川先生には興味のある仕事の現場に身を置くことの大切さを教えていただきました。石川先生はたくさんの美術館などにボランティアをしに行ったり、勉強をしに行ったりして、ひたすら経験を積んだ延長線上に学芸員というお仕事に就かれたそうです。やはり現場に身を置いてから初めて分かったこと、得ることができたこともたくさんあるのだなと思いました。これから少しずつ、美術館や文学館を回って行こうと思いました。


Sさんが貴重な学びを得たようで何よりです。(Sさんに限りませんが)美術館や文学館を学生の皆さんが巡っていくきっかけになれば素晴らしいことと思います。石川先生、本当にありがとうございました。

ちなみに、石川先生がお勤めの田端文士村記念館には、日本文学踏査では毎年お世話になっていたのですが、今年度は残念ながら授業期間が空調改修工事のために休館中……! 

11月4日(土)から再開とのことなので、日本文学科では本授業を離れて教員と学生有志の課外活動としておうかがいできたらとも考えています。学生の皆さんも、ぜひ再開したら訪れてみてください。無料で素晴らしい展示が見られるほか、近隣にかつて住んでいた文豪の旧邸などの文学散歩も楽しめます。


以上、日本文学踏査のご紹介(1回目)でした。今後も引き続きご紹介していく予定ですので、どうぞお楽しみに!

大正大学文学部日本文学科では、今後も定期的に授業や学科の取り組みを紹介していく予定です。この授業が見たい、この取り組みも紹介して欲しい、といった要望があれば、在校生ならぜひ2号館7階日本文学科事務室まで、受験生ならオープンキャンパスなどでご相談ください!

引き続き日本文学科公式SNSアカウントにおいても情報発信をしていますので、良かったらフォローや拡散のほど、よろしくお願いします。
 
大正大学文学部 日本文学科
GO TOP