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「学び」と「実践」を通じた人材育成

日本文学科

【日本文学科】受験生からの質問に関する先生方の回答です

前回のオープンキャンパスのアンケートにて、受験生の皆さんからいただいた質問に回答します。今回の更新では、学科の学習内容に関して、先生方にいただいたご質問の回答から掲載します。なお、質問の内容は原文の趣旨を損ねない程度に要約、補足した箇所があります。

Q.大正大学日本文学科のゼミにはどのようなものがありますか?

A.大正大学日本文学科では、1年次から2年次は近代文学、古典文学、日本語学、日本文化の4ゼミずつが、3年次から4年次にかけては、近代文学3ゼミ、古典文学3ゼミ(中古(平安朝)、中世、近世)、日本語2ゼミの計8ゼミに分かれて、それぞれのゼミで卒業論文の執筆を目指します。

ゼミの内容は年度によって異なりますが、シラバスという授業のプログラムはウェブサイト上から閲覧が可能です。「時間割所属」を「学部共通」としたうえで、「開講科目名」欄に、1・2年次のゼミは「日本文学基礎ゼミナール」、3・4年次のゼミは「日本文学課題研究」または「日本語学課題研究」と入力して検索してみてください。そのうえで、気になることがあればオープンキャンパスの個別相談などでも具体的に説明可能ですので、ぜひまたオープンキャンパスにも足をお運びください。

(日本文学科 古田 正幸)
 
Q.大正大学日本文学科のゼミでは神話の比較や現代と過去の作品の比較はできますか?

A.一部の作品は可能です。『古事記』『日本書紀』の時代である上代を専門にする教員はおりませんが、神話の展開として中世神話という分野でしたら可能です。また現代と過去の作品の比較は、どちらを基点とするかですが、過去の作品を主とし、それがどのように現代と関わるかという視点であれば可能です。

「比較」の研究は、どのような場合でも、何を比較する場合でも、どちらかに基軸を置く必要があります。
(日本文学科 渡辺 麻里子)

Q.大正大学日本文学科ではいくつかの資格取得が可能というお話しでしたが、いくつ資格を取る学生が多いですか?

A.大正大学日本文学科では、主に中高の教員免許状(国語、書道、司書教諭)、図書館司書、学芸員、日本語教員(外国語母語話者に日本語を教える職業)の養成講座受講を目指すことができます。それぞれの資格は、授業を取らないといけないので、掛け持ちすることは大変で、たいていの学生は1つとることが多いです。2つを目指す学生も、1つに絞ることが多いようにも思います。

例えば、中学と高校の教員免許などは、資格のために必要な科目が重なっているものも多く、進路を考える際にも有益なことが多いため、中学だけ、高校だけといった形ではなく、両方取ることを推奨しています。こうしたものを2つと数えるなら、教員免許を取る方は複数の資格を取ることが多いです。


なお、個別の科目履修などの制度もあるので、学部の4年間を卒業後に、働いたり大学院に進学したりしながら、もう少し余裕をもって複数の資格を取られる学生さんもいます。
(日本文学科 古田 正幸)

Q.大学で近代文学を学ぶ上で、文中には直接書かれていない登場人物の気持ちや動機を読み取るのが苦手です。読み進めるとき、何に着目すれば良いですか?

A.小説を読む際に、以下を区別して、線を引きながら読んでみてはいかがでしょうか。ご質問を読むに、今回は3がポイントと思いますが、3つを総合して読んでいけるといいと考えます。

 1、その人物が言葉に出して、話していること(小説世界の人物、読者ともに知り得ること、気持ちや考えに結びつきやすい)
 2、その人物が頭の中で考えていること、心の中で思っていること(小説世界の人物は知り得ないことで、読者のみが知り得ること、気持ちや考えに結びつきやすい)
 3、その人物の行動(小説世界の人物、読者ともに知り得ること、気持ちには結び付きにくく見えるが、ここから類推=読解が可能)

(日本文学科 梅澤 亜由美)
 
Q.大学で古典文学を学ぶにあたって、高校在学中にしておいた方がよいことはありますか?

A.高校の教科書に載っている作品は、日本の古典文学の中でも大事な作品が多いです。まずは、教科書を中心に、好きな作品を探すつもりで、色々読んでみてください。国語便覧のような図版が載っているものも入手されているようなら、そちらも見比べてみるといいですね。

現代語訳を自分でしてみることも大事ですが、現代語訳は解釈のゴールではありません。苦手な方は、全集などに載っている現代語訳をヒントに、まずは読み通してみるのもいいでしょう。ただし、現代語訳をヒントにするときも、原文の表現にも目を通しながら読めるとなおいいと思います。また、それだけでなく、どうして古典の本文ではこういう表現をするのか? どうしてこんなことが語り出されるのか? 作品の中で描かれていることにはどんな文化的背景があるのか? といった疑問点を見つけて読んでいくと、より豊かでリアルに古典の世界に触れられるかもしれません。

疑問点はすぐに解決できなくても、大学での学びの中で解決できることもあると思います。また、疑問点の見つけ方がわからない場合なども、それも入学後でも大丈夫です(あるいは模擬授業なども参考にしてみてください)。ぜひ大正大学ならではの古典の学びを楽しみに、いろいろと読んでみてくださいね。
(日本文学科 古田 正幸)

Q.課外活動の「教職虎の穴」は具体的にどういった活動内容なのか知りたいです。

A.「教職虎の穴」とは、日本文学科の学生で「教職課程」を履修し、
将来高等学校、中学校(稀には小学校教員を含む)の国語教員を目指す学生たちによる「自主的な学び」、いわゆる「自主ゼミ」の総称です。各学年にあり、学生同士が、国語科教育力の相互的な育成については、もちろんのこと、教職教養力、一般教養力についても様々な工夫で互いに磨きあっています。

具体的には、模擬授業の練習にはじまり、採用試験に臨むための各対策などをともにチェックし合ったり、問題を出し合ったりしているのです。そして、そのベースにある基礎学力は、日本文学科における各科目で培われていることは言うまでもありません。

国語の「先生」になるためには、いったいどんな学力の総体が必要なのかー、それについて、早い時期から考えていただくのは、とても意義深いことだと考えています。
(日本文学科 山内 洋)

回答は以上です。次回は在学生にいただいた質問に対する、学生さんからの回答を紹介したいと思います。どうぞお楽しみに!

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