学部・大学院FACULTY TAISHO
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公共政策学科
ご入学おめでとうございますー「おかげさま」の心持ち
好きな詩があります。
「おかげさま」 作:上所重助
夏が来ると「冬がいい」と言う冬が来ると「夏がいい」と言う
太ると「痩せたい」と言い
痩せると「太りたい」と言う
忙しいと「暇になりたい」と言い
暇になると「忙しい方がいい」と言う
自分に都合のいい人は「善い人だ」と言い
自分に都合が悪くなると「悪い人だ」と言う
借りた傘も 雨が上がれば邪魔になる
金を持てば 古びた女房が邪魔になる
所帯を持てば 親さえも邪魔になる
衣食住は昔に比べりゃ天国だが
上を見て不平不満の明け暮れ
隣を見て愚痴ばかり
どうして自分を見つめないのか
静かに考えてみるがよい
一体自分とは何なのか
親のおかげ
先生のおかげ
世間様のおかげの固まりが自分ではないか
つまらぬ自我妄執を捨てて
得手勝手を慎んだら
世の中はきっと明るくなるだろう
「俺が」、「俺が」を捨てて
「おかげさまで」、「おかげさまで」と暮らしたい
皆さんがこれから学んでいく「公共政策」のベースになる心持ちが
まさにこの「おかげさま」ではないでしょうか。
人間は一人では生きていけません。
周りの人や自然や環境から様々な恩恵を受けて生活しています。
今、私たちは大きな混乱の中にいます。
先の見えない状況に不安と緊張が世界を覆っています。
奮闘する医療関係者への賞賛や感謝の声が上がる一方、
誰かを責め憂さを晴らす態度や、感染者に対する差別も広がっています。
この騒動が収束した後、社会はどうなっているのでしょう?
ともに困難を乗り越えたことで連帯や絆が深まっているのか、
分断や軋轢が進行してしまっているのか。今はまだわかりません。
前者であることを願っています。そのためには社会に「おかげさま」の心持ちを
根付かせ、皆が安心して暮らせる仕組みや基盤を整えなければなりません。
私たち人間の知恵が試される時です。公共政策の出番です。
これから皆さんが生きていく社会をより良くするための学びが待っています。
今まさに生きた教材が用意されました。
より良い未来を創り出せるようしっかり準備をしておいて下さい。
皆さんの若いエネルギーと瑞々しい感性に大いに期待しています。
ご入学おめでとうございます。大正大学 公共政策学科教員
村橋克則