学部・大学院

「学び」と「実践」を通じた人材育成

公共政策学科

インフォデミック(首藤副学長より)

 コロナ禍でパンデミックという言葉は一般的になりましたが、同時にインフォデミック(インフォメーション+エピデミック)、すなわちデマや陰謀論などの拡散も社会問題化しているようです。

 これに関しては、ワクチン接種に関するさまざまな言説やトランプ前大統領の支持者に拡がっているQアノンの主張などを連想する人も多いかもしれません。これだけたくさんの情報が溢れる時代になったにもかかわらず、人々が正しい(根拠のある)情報を共有できていないのは皮肉なことだと感じます。

 背景として、ネット社会のネガティブな側面があるのでしょう。私たちがネットで触れる情報は、お節介にも個人の興味に沿ったものを選別するアルゴリズムのバイアスがかかっているものが数多くあります。時には、似た考え方の人たちばかりの閉鎖された世界の中で互いに肯定感を過剰に増幅させてしまうようなことが、思想の先鋭化を招くことにつながっているようです。結果として、世界中でお互いが相手側を「とんでもない連中だ」と罵り合うような社会の分断が進んでいて、それは明らかに人間社会の劣化を示しています。

 大学の使命のひとつは、科学的思考、すなわち事実に基づいた論理的思考ができる学生を育てることです。

 私が現在担当している授業(政策過程論)の中では、先々週「EBPMEvidence-based Policy Making:根拠に基づく政策立案)」を取り扱いましたが、ものの考え方の本質的なところまで伝え切れているか、そういう意味では責任の重さを感じています。

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