学部・大学院FACULTY TAISHO
社会福祉学科
100年福祉-18 専門職として働く先輩が伝えたいこと
6月28日の児童福祉論の講義に、児童福祉司の竹之内賢さん(2013年3月卒)が「児童相談所と子ども家庭支援センター」について分かりやすく話してくださいました。
児童相談所と子ども家庭支援センターの根拠法を踏まえたうえで、児童相談に関わる専門職の具体的な仕事内容について、事例を取り上げつつ、専門職として持つべき視点や多機関との連携のあり方などを詳しく説明していただきました。
受講生たちは熱心に先輩のお話を聴き、竹之内さんは次々と寄せられる質問に丁寧に答えて下さいました。
一部の受講生のコメントを紹介します。
Sくん:児童相談所と子ども家庭支援センターの違いや、それにまつわるお話を聞いて多くのことを考えさせられました。現場で働いている専門職の考え、問題の捉え方、それに対する解決方法、どれも専門的知識が必要とされることが分かり、とても貴重なお話を聞くことができました。
Tさん:私のなかでの児童虐待対応とは、子どもだけを守り、親から引き離すというイメージが強かったです。しかし、親が子どもを虐待する背景(貧困、障がい、育児不安など)を調査し、それらを改善すれば家庭復帰できることもあるということが分かりました。虐待をしてしまった親を支援することも重要な責務であると感じました。
Kくん:児童相談所に対する抽象的なイメージとして、あまり深くは踏み込むことができないと思っていましたが、虐待の被害にあった子どもを守るための措置権や調査権などの体制が整っているからこそ一人ひとりの子どもを守ることができることが分かりました。また、このような機関がもっと幅広く活動していけば、もっと良い方向へと向かうことができると考えます。しっかりと法律などを学んでいきます。
Kさん:児童虐待は児童相談所が一から対応するものだと思っていました。テレビのニュースなどでも、児童相談所や一時保護所などに焦点があたっていました。しかし、最初の相談窓口は、子ども家庭支援センターであることを初めて知りました。子ども家庭支援センターのほうが、より人々の日常生活をするうえでは必要になると思い、知名度を向上させることが大切と思いました。
Sさん:児童相談所と子ども家庭支援センターの役割について学び、理解することができました。ケースを発見したらすぐ児童相談所に連絡するものだと思っていたので、子ども家庭支援センターの役割や機能を知る貴重な時間になりました。
講義後、竹之内さんは後輩たちのコメントを読み、次のようなメッセージを発信してくれました。
「今回、このような機会を作って下さり、本当にありがとうございました。資料等の作成や後輩たちとやりとりするなかで、私自身、実践のなかで忘れかけている理論の大切さや、自己覚知などの専門職として必要な視点を再確認することができました。
講義の中心は、子ども家庭支援センターと児童相談所の違いでした。関係機関との連携を行ううえでは、『相手のことを知らなければならない』という視点が大切です。実習等に行く際は、その視点も忘れずに学んできて下さればと思います。また何かの縁でお会いすることを楽しみにしています。」
大正大学は、100年にわたる福祉教育のなか、学生の横のつながりだけではなく、縦のつながりも大切にして来ました。
後輩は先輩の背中を見て育ちます。
竹之内さん、お忙しいなか、後輩たちの心に残る貴重な講義どうもありがとうございました。
(文責:金潔)