学部・大学院FACULTY TAISHO
社会福祉学科
100年福祉-23 卒業生シリーズ④
社会福祉学科の卒業生を紹介するシリーズ第4回目は、学部卒業後、生活施設での現場経験を踏まえて、相談支援事業に従事して3年目を迎えた澤田安識さんです。
澤田さんは、この4月から、千葉県流山市の地域自立支援協議会の相談支援部会長としても活躍されています。
①卒業年次、取得資格
2007.3(平成19年)卒業、社会福祉士取得
2010.3(平成22年)介護福祉士取得
2012.3(平成24年)介護支援専門員取得
②卒業後の略歴
2007.4(平成19年)~2011.3 社会福祉法人いちいの会くすのき苑(障害者支援施設)生活支援員
2011.4(平成23年)~2014.3 同法人中核地域生活支援センター障害者グループホーム等支援ワーカー(千葉県単独事業)
2014.4(平成26年)~ 社会福祉法人まほろばの里相談支援センターまほろば 相談支援専門員(2017.4~流山市地域自立支援協議会相談支援部会長)
③大正大学社会福祉学科での思い出、選んでよかったと思うところ
私が所属していた時代は、社会福祉士の国家試験受験に向けて過去問題を取り入れた授業を行っていたので、試験に対するモチベーションが自然と高まっていったことが良かったと思っています。4年次では同じゼミの仲間同士で模擬問題や過去問題の回答を一緒に行い、点を競い合うなどお互いを高め合う環境にあったので、合格に向けて切磋琢磨していたのはいい思い出になっています。
4年次では、相談援助実習や受験勉強、就職活動に加えて卒業研究(論文)も行っていました。当時は忙しいと感じながら行っていた記憶がありますが、目の前のやるべきことを一つひとつ行っていくのは、仕事を計画的に行っていくためのいい練習期間のように感じます。作成した卒業研究も、今見ても自分自身を振り返ることができる内容で、今でも手に届くところにしまっています。それだけのものが作成できたのは、私自身の力ではなく、共同で取り組んだ友人や同じゼミ内で相談し合った友人、そして先生の指導があってこそのものなので、感謝と同時にこの大学を卒業することができて良かったです。
④社会福祉を学ぶことや社会福祉の仕事の魅力について
私は、支援業務をよく車の運転に例えます。
利用者主体や当事者主体といった言葉は、福祉の現場では当たり前のように言われてきています。人生という道を運転しているのは、あくまで障害を持つ方本人であり、支援者は運転席に代わりに座ってはいけません。支援者はあくまで助手席に座って、運転の支障にならないように操作の助言や道の案内をすることが求められます。それは、ただただ指示を出すだけでは運転していても心地よくありません。助手席に座る者は、操縦者が心地よいナビゲーションをしなければいけません。それが本人に合わせた支援ということではないでしょうか。
つまり、利用者が変われば支援方法も変える必要があり、単一的な対応ではなく一人ひとりに合わせた多様的な対応が求められます。その対応は簡単なことではありませんが、本人に合った支援を考えることはとても興味深い作業だと思います。また、相談支援の業務は、いろいろな価値観に出会わせてくれます。知的障害、身体障害、精神障害、発達障害を持つ方やそのご家族の皆様、また行政機関や支援機関など様々な人と話す機会があるのですが、いろいろな人と話すと自分の考えと異なる視点から考えられた話が聞けたり、感じられたりするので、とても勉強になり、楽しさを感じています。
澤田さんは先日、所属法人の求人票を手に、久しぶりに大学を訪れ、ゼミの後輩へ実践の話をし、卒業研究の助言もしてくれました。その様子からは日頃の仕事ぶりも垣間見られ、ゼミ担当教員の私にとっても、有意義な時間となりました。益々のご活躍を祈っています。
(文責;沖倉智美)