学部・大学院FACULTY TAISHO
社会福祉学科
100年福祉-39 卒業生シリーズ⑧
皆さんは、社会福祉協議会という団体をご存知ですか?このブログでも何度か登場していますが、地域福祉を推進する社会福祉法人の1つです。社会福祉学科の卒業生を紹介するこのシリーズ、第8回目からは3回連続で社会福祉協議会に勤務する3名の卒業生をご紹介します。初回は学部を卒業してから8年、東京霞が関で仕事を続ける全国社会福祉協議会職員の高柳嘉彦さんです。
①卒業年次、取得資格
2008.3(平成20年)卒業
②卒業後の略歴
2008.4(平成20年)~2009.3 社会福祉法人全国社会福祉協議会
(社会福祉法人旭川荘 重症心身障害児施設睦学園出向)
2009.4(平成21年)~2012.3 同 児童福祉部
(全国乳児福祉協議会事務局担当)
2012.4(平成24年)~2016.3 同 総務部
2016.4(平成28年)~ 同 高年・障害福祉部
(全国身体障害者施設協議会事務局担当)
③大正大学社会福祉学科での思い出、選んでよかったと思うところ
「一生の戦友と恩師に巡り合えたこと」、そのことが大学での一番の思い出であり、大正大学社会福祉学科を選んでよかったと胸を張り言えることであります。
特に戦友たちには様々な場面で支えられ、大学生活の集大成である卒業研究の完成に向け、たくさんのヒントや視点をもらうことが出来ました。
就職後も互いの近況、悩みや葛藤を伝え合える仲間と出会える環境は、早い段階から少人数による授業を行っている大正大学ならではの魅力であると思います。
また、現場実習やボランティアを通し、直接、福祉現場で学ぶ機会も多くあり、現場実習にあたっては、先生より利用者の生活の場(施設)で学ばせていただくための姿勢・心構え、実習記録の書き方など、厳しく教えていただきました。ただ、その時学んだことは、現職においても生かし続けています。
そして就職に際し、利用者と直接関わる現場で働くことを選択せず、全国社会福祉協議会(全社協)で働くことを目指した私を全力でサポートしてくださった先生には、心から感謝しています。
④全社協の仕事、社会福祉の仕事の魅力について
全社協は、地域住民の生活課題をその地域の課題で終わらせるのではなく、さまざまな社会福祉関係者と協働し、課題を社会化することで、日本全国どこでも誰でも、質の高い福祉サービスを利用することができる社会を目指して取り組んでいます。
例えば、家族と一緒に暮らすことが難しい子どもの養育をどう考えるか、あるいは障害のある方が生活や仕事をするうえで困っていることや悩んでいることは何か、災害が起こった時にボランティアの方をどのように受け入れていくかなど、世代や分野ごとのさまざまな課題、あるいは共通する課題に対し、たくさんの福祉関係者等と協働し、解決策(施策、制度など)を考えています。
そうした解決策を、私たちの仲間である都道府県・市区町村の社協や福祉施設が実践してくれています。
机上の空論と言われないためにも、現場感覚を忘れず、幅広い社会福祉関係者と関わり、課題となっている現場に出向き、様々な考えや思いに真摯に向き合うことが、私たちの仕事の根底に求められるスキルであると思います。上手くいかないことも歯がゆいことも多くありますが、「福祉とは人びとの幸せを目指すものである」との多くの先代の言葉を胸に、微力ながら、社会福祉のジェネラリストとして、一人でも多くの方々の役に立てるように、今後も日々精進したいと考えています。
高柳さんが卒業する年の障害者週間に、日比谷公園で行われた障害当事者とその支援者の集会に、ゼミ生たちと一緒に参加しました。その時に、霞が関にいても当事者やその支援者である仲間(高柳さん曰く、戦友)の声を、制度政策に反映していくことを忘れないでほしいと確認しました。あれから間もなく10年。今後も尽力してくれることを願っています。
(文責;沖倉智美)