学部・大学院FACULTY TAISHO
社会福祉学科
100年福祉-40 卒業生シリーズ⑨
3回連続で社会福祉協議会に勤務する卒業生を紹介するシリーズの2回目は、東京都品川区社会福祉協議会の田中(旧姓戸佐)満季子さんです。
①卒業年次、取得資格
2006.3(平成18年)卒業。社会福祉士取得
②卒業後の略歴
2006(平成18年)品川区社会福祉協議会事務局
2013(平成25年)品川区社会福祉協議会 ボランティアセンター(現在に至る)
③大正大学社会福祉学科での思い出、選んでよかったと思うところ
1ヶ所の施設で長期間実習を行う大学もありますが、大正大学では2・3・4年次の3年間で、複数の施設で実習をします。私の場合は、複数の障害分野の施設で実習をしたことで、たくさんの方と出会い、様々な経験をすることができました。この経験から、施設や障害のある方に対するイメージ・考え方が大きく変化し、障害のある方のおかれる状況、背景、課題等を学ぶことができ、視野が広がりました。
また、実習では記録をとることが必須となりますが、実習前には多くの時間を使って記録の取り方を授業で学びました。記録にはボランティア活動中に感じたこと、考えたこと等を記入し、先生の指導だけではなく、学生同士でも発表しあいました。学生同士で発表しあうことで、他の人がどのようなことを感じ、どのようなことを考えているのかを知る機会となり、いい勉強になりました。そして、ボランティア活動を自分で探すことで、以前よりも積極的に動く力を身につけることができました。
こうして授業や実習中に何度も記録を取ることで、記録の取り方が少しずつわかるようになりました。記録は、現在の仕事でも必須になりますので、学生時代にこのような機会が多々あり良かったと感じています。
④社会福祉を学ぶことや社会福祉の仕事の魅力について
品川区は、人口386,810人(平成29年9月1日現在)で65歳以上が約21%となっています。再開発により大きな企業が幾つも入る高層ビルや高層マンションが建ち並ぶ都会的なエリアもありますが、工場や住宅、商店街等がある下町的なエリアも残っています。そのため、昔ながらの人付き合いを大事にする方も多く、民生委員活動やボランティア活動等の支えあい活動も盛んです。
私の働く品川区社会福祉協議会は区民相互の支えあいの輪を広げ、誰もが安心して暮らせる地域づくりを展開しています。私の所属するボランティアセンターでは、閉じこもりがちな高齢者や子育て中の親子等の孤立を防ぐ地域の居場所・交流の場であるサロン活動に重点を置いています。
サロン運営には場所の確保、運営経費、周知方法、協力者等様々な課題があるため、運営希望者と一緒にどうしたら実現できるかを一から考えていきます。また、サロンの立上げ支援にとどまらず、立上げ後も継続してサポートをします。サポートをしていく中で、少しずつサロンが住民に認知され地域にとってなくてはならない存在となり、サロン参加者だけではなくサロンを運営する側(ボランティア)にとっても生きがいになっている様子をみると関わらせてもらえて良かったと感じます。そして、サロンを通じて区民同士の交流がうまれ、日頃から声を掛けあい、サロンを休む人がいた時には連絡しあう等、自然に地域の見守り体制が出来上がっていた時には感動しました。
サロンに関してはサポートをする立場ですが、サロン以外の事ではサロン運営者やサロン参加者の方から学ぶことが多く、素晴らしい出会いに本当に感謝しています。微力ながら今後もサロン活動等を通して、区民と一緒に「支えあう地域づくり」を行っていきたいです。
どちらかと言うと、一人でコツコツと真面目に授業や実習、そして卒業論文に取り組んでいた印象の強かった戸佐(田中)さん。今では多くの先輩後輩ワーカーや地域住民と協働しながら仕事をこなし、家庭では2人の子どものお母さんとして子育てに励んでいます。
今年のホームカミングディは11月5日、戸佐さんや先のブログに出ていただいた住田さんの学年で開催予定です。皆でお会いしたいですね。