学部・大学院FACULTY TAISHO
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社会福祉学科
100年福祉-62 卒業生シリーズ⑯
卒業生を紹介するシリーズの16回目は、汗と涙が結晶した卒業研究を作成するにあたって、お世話になった法人の障害者支援施設に勤務して3年目を終えようとしている成田萌子さんです。
①卒業年次、資格取得
2014(平成26)年3月卒業。社会福祉士取得。
2014(平成26)年4月 社会福祉法人 あいのわ福祉会 竹の塚あかしあの杜 支援員
③大正大学社会福祉学科での思い出、選んで良かったところ
私は、福祉に興味があり、福祉学科に進学しました。様々な事を授業で学んでいくうちに、福祉と一言で言っても幅が広く、自分がどの分野に進みたいか悩むようになった為、時間がある時は、様々な施設でボランティア活動を行いました。実際の現場を見ることで、それぞれの分野でのやりがいや、大変さを知る事が出来ました。3年次に上がる前に、自分が進みたい分野が決まり、大正大学では、自分の希望する分野で3年次は実習が行える為、実習を有意義な物にする事が出来ました。4年次は、卒業研究の作成に加え、就職活動・国家試験の勉強とやらなければいけない事が沢山ありましたが、国家試験対策の授業(特講)があったおかげで、メリハリを付けてそれぞれ、精一杯取り組めた為、満足出来る結果を残す事が出来た事は、良かったと思います。
また、大学生活での一番の思い出は、ゼミでの卒業研究の作成です。3年次の実習後も、実習先の施設でボランティア活動を続け、職員・利用者の方に協力して頂き、卒業研究を作成し、その後の進路にも繋がって行きました。卒業研究作成の過程で先生からは、厳しい中にも優しさがある指導して頂いた事は、鮮明に覚えています。先生は、決してすぐに答えは教えてくれませんでしたが、きちんと話を聞いた上で、アドバイスをくれる為、自分で考えるという事が自然と身について行きました。考える力が支援をする上でとても大切だという事は、今の仕事をするようになってから、ひしひしと実感しています。また、先生とのやり取りの中で学んだ事・感じた事は、自分の今の仕事に対する想いに繋がっていると思います。
先生やゼミの仲間とは、卒業後も定期的に交流する機会があり、お酒を交わしながら、学生時代を思い出しつつ、それぞれの近況等を話している時は、良い刺激にもなっています。そんな恩師や仲間と出会えた事に、とても感謝しています。
④社会福祉を学ぶ事や社会福祉の仕事の魅力について
私が現在働いている、竹の塚あかしあの杜は、東京都足立区にある障害者支援施設です。生活介護事業・入所支援事業・短期入所事業を行っており、私は入所支援事業で、支援員をしています。今年で3年目になり、正直やっと気持ちにも余裕が出てきた状態です。実習やボランティアの時は「楽しいな」という思いの方が大きかったですが、支援員として、日々利用者の方と向き合っていく中で、人を支援するという責任も生まれ、楽しいだけでは無い事を実感しました。例えば、卒業研究作成時に「利用者主体の支援」の大切さを学びましたが、その為にはまずは信頼関係の構築が必要になります。利用者の方やご家族とやりとりをして行く中で、利用者本人とご家族の考えに違いがあり、利用者の意思を出来るだけ尊重出来るよう、双方の考えを汲み取る努力をしました。時には利用者の方やご家族から、厳しい事や、ネガティブな言葉を言われる事もありましたが、諦めず様々なアプローチ方法を考えました。アプローチをしたからと言って、変化がすぐに目に見えて分かる訳では無いですが、時間を掛けて利用者の方やご家族、支援員全員が「これだ!」と思える方法を見つける事が出来た時は、達成感を感じました。また、「あなたが担当で良かった」と言ってもらえた時に、信頼関係を築く事も出来たと喜びも感じられました。支援に正解や答えは無い為、なかなか成果が出ず、もどかしい気持ちになる事もありますが、利用者の方に一番近くで寄り添い、支える事が出来る事が、今の仕事の魅力だと思います。
また、日々生活をしている中で、利用者の方一人ひとりが毎日同じという事は無く、体調や心境は少しずつ変化しており、その変化に気が付ける力が、支援をする上では大切だと思っています。言葉で直接伝えてくれる方も居れば、表情や身体の緊張具合等、一人ひとりが出すサインは様々です。そのサインに気付く為には、一度、相手の立場に立って考える事で見えてくる事もあり、利用者の方から学ぶ事もたくさんあります。視野を広く持ち、様々な気づきを持てるようになる為には、常に学ぶ姿勢でいる事が重要だと感じています。
現在、竹ノ塚あかしあの杜には大正大学の卒業生が、私を含め4名が支援員として働いています。良い支援をする為には、縦の繋がりだけでなく、横の繋がりも大切で、同じ場で学んだ人が同じ職場に居るという事だけで、心強く感じています。今後も、そういった繋がりが続いて行けば良いなと思っています。
曲がったことが嫌いで、現場で遭遇する事象に常になぜ「?」と疑問を持ち、利用者や職員にマイクを向け続けて完成させた卒業研究。そんな成田さんも自らを取り巻く縦横無尽の「繋がり」の中で、しなやかさを身につけられましたね。
これからも利用者の「繋がり」を生み出す応援団として、常に利用者に寄り添う成田さんでいてください。新年会でお会いするのを楽しみにしています。
(文責;沖倉智美)