学部・大学院FACULTY TAISHO
社会福祉学科
卒業研究の口述審査発表会を開催しました
11月27日(土)に卒業研究の口述審査発表会を開催しました。
大正大学社会福祉学科では、探究したい研究テーマや社会福祉に関連した課題に基づき、学生が数人でプロジェクトチームをつくり、3年生から4年生までの2年間、協働して研究やフィールドワークに取り組みます。この取り組みは、「プロジェクト研究」という授業のなかで展開されます。他の学科や大学では、ゼミナール(ゼミ)と呼ばれる授業に相当します。
大学における一般的なゼミでは、学生個人がゼミ担当の先生の指導のもと、卒業研究を進めて、その成果を卒業論文にまとめます。他方、本学科では学生たちの将来を見据えて、社会福祉領域やそれ以外の領域で、様々な人々と関係を紡ぎ、コラボレーションできる技能を学生同士が高め合うことをねらい、チームでの研究、活動を学生たちに求めています。
学生たちは、「プロジェクト研究」の指導教員の指導を受けながら、自分たちが取り組む研究テーマや課題を設定し、文献・資料研究を通じて、自分たちの関心を深めていきます。そして、研究テーマや課題を精査しながら、行動計画を立て、社会福祉の対象者や専門職者、地域住民などとのかかわりを模索し、紡ぎながら、チームメンバーとともに研究テーマ、課題に関する探究を深めていきます。また、その成果を卒業研究報告書として、チームでまとめ上げます。
それぞれのプロジェクトチームによる研究・活動の成果は、コロナ禍で活動の制約があるなかでも、アンケート調査やインタビュー調査から社会福祉にかかわる新たな知見や理論のタネを得たもの、先輩から脈々と受け継がれているプロジェクトを丁寧に引継ぎ、新たな発見や課題を見出したもの、フィールドワークを重ねながら地域住民との関係を築き、地域福祉の課題解決に挑んだものなど、社会福祉の対象者や今日的課題に根差したものでした。また、その成果発表からは、教育、実践、研究の螺旋的な循環を地域のなかで創出しながら、新たな課題発見と課題解決のための知識創造を志向する、「大正学派」の社会福祉思想や哲学が脈々と受け継がれていることを感じ取ることができました。
この2年間の仲間や社会福祉にかかわる人々、そして教員との関係によって培った様々な力が、これからの皆さんの社会人としての成長とキャリア形成に活かされることを期待しています。
(文責:鈴木孝典)