学部・大学院FACULTY TAISHO
社会福祉学科
卒業研究中間発表会について
「卒業研究」(卒業論文)は大学生活の集大成です。3年次より約2年間、専門ゼミ(授業名は「プロジェクト研究」)に所属して、全員が卒業研究を書き上げます。その中間発表会が7月14日と15日に開催されました。3年生も参加しています。
社会福祉学科では卒業研究を2人以上のグループで作成します。登山をするにしても、道を迷わないように安全に登る方法や詳細な地図は必要です。その山に登る価値があるのかどうかも吟味が必要です。3年次から先行研究を調べて読み込み、テーマを決めてゴールを定めて行きます。ほとんどのグループが現代日本の重要イシューや社会的問題をテーマにして、大学の外の団体等の活動に関わりながら、インタビューやアンケート調査を行いながら書き上げます。本学科の大きな特徴であり特長です。社会福祉に関係する現場での取組みから、支援の仕方、関わり方、あり方などを教えてもらい、学んでいます。教員は調査計画、調査内容について全般的にサポートをしていますが、学生が学問的な成長をするプロセスと考えて指導をしています。
卒業研究は最終的には10月下旬に大学に提出し12月上旬頃に審査会を行いますが(1人あたり2万字以上必須)、今回の中間発表会は、その前の段階で担当教員以外の教員にコメントをもらい、他の学生からの質問に答えることで、今のままでいいか、修正が必要かどうかを検討する重要な機会になります。あるいは、他のゼミや他のグループの進捗状況を知ることができます。しかし、その機会を活かすのか、活かさないのかは個々人やグループ次第でもあります。ぜひ教員のコメントや他の学生からのコメントなどから自分の研究を精査して欲しいと思います。3年生にとってはこれからどのように卒業研究を進めれば良いのかのヒントやアイデアを得る機会になります。 今のうちからじっくりと、誰と一緒に、どこを目標にして、どこをスタートラインとするのかを考え始めて欲しいと思います。
研究というものは、本来的にオープンなものです。公共的空間の中で、公開されて、発表し、意見を交わし、参加者は相互に学び合います。当然批判もあるし、反論もあるし、調整も必要なことがあります。学問は根拠を探り当て、もっとも妥当な答えを見つけ出すものです。卒業研究は大学生活の中で、このプロセスを学ぶ最大の機会であると思います。
(松本 一郎)