学部・大学院

「学び」と「実践」を通じた人材育成

哲学・宗教文化コース

ドーハで見たイスラム社会(2)

ドーハの話の続きです。

イスラム社会、とくにアラブ諸国では、イスラムにのっとって「男の世界」と「女の世界」がはっきり分けられていると聞きます。
ドーハに実際に行ってみて気づいたのは、単純に「男の世界」=外、「女の世界」=内、と分かれているのではなく、独自の分業がなされているということでした。

たとえばドーハ国際空港で、入国審査のブースにいた係(10名ほど)は全員、黒いベール、黒いイスラム服姿の女性(しかも比較的若い)でした。
男女を問わず外国人に最初に接するカタール人が彼女たちということです。
仕事柄、皆、誰に対してもしっかり目線を合わせて審査をしていました。
それで、私も彼女たちの顔をまじまじと見ることになったのですが(ベールは顔まで覆わないものだったので)、お化粧はバッチリしていましたね。
ベールで髪を隠すのは、美しい髪は男性を誘惑するからという理由があると聞きますが、お化粧はよいので、日本から見るとちょっと不思議な「つつましさ」の感覚です。

他方、ドーハのスークに行く機会があったのですが、そこで店番をしている人たちはみな男性でした。
スークとは大きな市場のことで、食品・服・織物等の小さなお店がぎっしり並んでいるところです。↓
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(昼間は暑すぎて人影もまばらです  GNU)

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(夜になると賑わいます。内側の通路に入るとこんな感じです。 c/o Jnn) 

買い物客には女性もいるのですが。
なんだか、男女の分業が日本と反対ですね。

レストランの接客をする人には、男性も女性もいますが、
でもそういう人たちはカタール人ではなく、外国からの労働者です。
(急速な経済発展のため、現在カタールの人口は160万人ほど。
そのうちカタール人は35万人程度だそうです)

また、レストランでは一般に、男性席と、女性や家族客が座る席が分かれているのですが、
会議では、男性席、女性席が分かれているということはなく、皆、好きなところに座っている感じでした。
 

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(会場係は男性)

 ただし、休憩時間や移動のときは、イスラム女性たちはもっぱらグループ行動でした。
そして、公の場といいますか、男性と一緒のところでは静かなのですが、
洗面所、つまり女性だけの場所になると、いっきにはじけて、
アラビア語で大声でおしゃべりをするのです。
その変わりぶりに驚きました。

 

最後に、スークにあったお店(ポスター屋さん?)の店先です。
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2022年 ワールドカップ招致、市民の間でも気合いが入っています。
イランの映画『オフサイド・ガールズ』は、スタジアムでサッカー観戦をすることを禁じられている、イランのイスラム女性たちの話ですが、
カタールでワールドカップ開催となったら、現地の女性たちも何らかの形で観戦できるといいなと思います。

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