学部・大学院FACULTY TAISHO
哲学・宗教文化コース
【哲学・宗教文化コース】の新入生および新2年生へ
このたびは、東北太平洋沖地震をはじめとする大震災により尊い命をなくされた皆様のご冥福をお祈りするとともにご家族の皆様にお悔やみを申し上げます。また、被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。
被災地の方々の労苦や悲しみに思いを馳せると胸が張り裂けそうですが、どうか希望を失わず、この苦難の状況に立ち向かってほしいと思います。そして、一日も早い復旧・正常化を心より祈っております。
波乱の新学期がスタートしましたが、既にHPで告知しているように入学式は4月25日、ガイダンスは翌26日から実施されます。
哲学・宗教文化コースは、自学自習の課題として以下の内容を出題しました。
HPでも閲覧可能ですが、このブログにも再掲しておきます。
新1年生には、以下の課題に取り組んで頂きたいと思っています。
<新1年生>
【課題】次のテーマの中から、どちらかを選んで書いて下さい(両方書いてもよい)。
(1)「高校の『世界史』または『倫理』の教科書に基づいて、関心を持った哲学者、宗教者の思想をまとめ、それについて自分の考えを述べなさい。」(採り上げる人物は一人でも複数でもよい。)
[1週目]
・『世界史』または『倫理』の教科書の中から調べたい哲学者・宗教者を選ぶ。
・可能であれば、哲学者と宗教者を一人ずつ選ぶ。
・教科書とともに『世界史』『倫理』の資料集、あるいは関連する書籍を参考にしながら、選んだ人物の思想を調べる。
[2週目]
・インターネットや関連する書籍を使って、選んだ人物の思想をさらに調べてみる。
[3週目]
・調べた内容を自分なりにまとめる。その際、自分の考えとの異同(同じところと違うところ)と、現代社会においてその人物の思想はどのような意味をもつと考えられるか、自らの意見を書きそえる。
(2)「今回の大震災の中で思うこと」
[1週目]
・今回の大震災の中で経験したこと、あるいは見聞きした出来事、あるいはテレビや新聞で知ったこと等の中から、レポートにまとめてみたいことを考える。
・書いてみたい内容について、親や親戚、友人をはじめとした他者と意見を交換する。
・書いてみたい題材について、インターネットや書籍から情報を集める。
[2週目]
・引き続き、書いてみたい題材について、インターネットや書籍から情報を集める。
・集めた情報について、他者と意見交換をしながら、自分なりの考えをより明確にしていくように努める。
[3週目]
・自分の考えをまとめ、レポートを作成する。
・その際、(1)自分がその題材に興味を抱いた理由、(2)その題材を考えるにあたり、3週間という期間で、どのように思索を深めたか(例えば、□□という本を読んでみた、とか、○○と意見を交換した、とか、インターネットを利用して△△について調べてみた、等)、(3)その結果、自らの考えはどのようにまとまったか、あるいは、まとまらず、どのようなことを考えるに至ったか、ということを明記する。
この2つの課題のうち、どちらか一つを選んで取り組んで下さい。余裕のある方は二つともやって頂いても構いません。この課題には、以下の二つのねらいがあります。
①「現代を知る」・「世界を知る」・「自分を知る」という本コースの教育指針を実践するに先立って、古今東西の思想のあらましを整理し、授業の準備をすることができる。
②現在起こっている具体的状況の中で、自分の立ち位置と役割について考えることができる。
提出日は、4月28日(木)です。この日に開催される「大学入門」に持参してください。授業終了時に回収します。書式は、パソコンが使える方はA4用紙横書き(40字×40行の設定)、または手書きの場合は400字詰原稿用紙縦書きが望ましいと考えています。字数は、1200字以上(各テーマそれぞれについて)が望ましいです。
続いて新2年生には以下の課題に取り組んで頂きたいと思います。
<新2年生>
【課題】「情報を正しく捉えるにはどうしたらよいか――今回の大震災の渦中での情報を題材にして――」
[1週目]
・自らの関心にもとづき、調べる題材を決める。
・被災地の様子や地震発生のメカニズム、原発事故や放射性物質の拡散による様々な被害等、自らの関心に即した題材について、インターネットや新聞・雑誌から情報を収集する。
[2週目]
・引き続き、インターネットや新聞・雑誌から情報を収集する。その際、一つのメディアだけではなく、複数のメディアから情報を収集するように努める。可能であれば、図書館を利用し、より多くの媒体(色んな種類の新聞や雑誌)にアプローチする。
[3週目]
・様々な情報を複眼的に眺めながら、<発信される情報は、時間の経過とともにどのように変わっていったのか><情報媒体の違いによって、発信される情報はどのように異なるのか>等、具体的な例を示しながら「情報を正しく捉えるにはどうしたらよいか」という課題について、自分なりの意見を述べる。
この課題を通して、以下の三つのことが達成できると考えています。
①さまざまな情報を比較検討し、それを批判的に吟味する能力を高めることができる。
②「正しさ」とは何か、「真理」はあるのか、といった哲学的問題を考えることができる。
③検索能力を身に付けることができる。
提出については、4月26日(火)の学科別ガイダンス(14:30~16:00)に持参してください。書式については、パソコンが使える方はA4用紙横書き(40字×40行の設定)、手書きの方は400字詰原稿用紙縦書きが望ましいと考えています。字数は、1600字以上が望ましいです。
今回の課題の指導責任者は、今春からコースの教務主任に着任した司馬春英先生です。
司馬先生のメールアドレスは、h_shiba@mai.tais.ac.jpです。(FAXは03-3308-3044)
なお、今回の震災で、上記の課題を遂行することが難しそうな方は、遠慮なくご相談下さい。
また、直接指導を希望されている方については、大学の研究室(2号館3階233)で対応します。4月中は、毎週、火曜・水曜・木曜の3日間は、哲学・宗教文化コースの教員は全員、大学に来ています。ですので、直接、面談して指導を受けたい場合は、新1年生(留年生も含む)は火曜日の午後1時から3時まで、新2年生は木曜日の午後1時から3時までの時間に大学に来て下さい。もちろん、来たい方のみで結構ですし、来た人と来られなかった人で成績に影響することは一切ありません。(曜日の都合が付かない人は司馬先生までご相談下さい。すぐに対応を考えます。)
また、生活面での相談も並行して受け付けています。相談日も場所も「直接指導」と同じです。
既にHP上でも記してあるように、在学生・新入生の方で被災により学習環境が損なわれている場合には、大正大学として物心両側面から万全の支援を行い、今後の学習への影響を最小限にとどめるようはからうつもりです。ですので、被災された方は、安心して、今は復旧作業やボランティアに専念してください。
逆に今回の災害で幸運にも被災から逃れられた方は、真剣に学習に取り組むことが学生の本分であり、今後の新しい日本を築いていく第一歩につながる営為だと思いますので、まずは上記の課題に真摯に取り組んで頂きたいと思っております。
哲学・宗教文化コース教員一同