学部・大学院FACULTY TAISHO
哲学・宗教文化コース
宗教文化研究B 台湾調査旅行二日目、三日目(B)
2日目の夕方からは、台北の北西に位置する淡水というところへ行きました。MTR淡水駅を降りると、淡水河を左に見て、右手には屋台が並んだ環河道路という道があります。各々好きな飲み物や食べ物を屋台で購入し、食べ歩きをしながらしばらく歩き、紅毛城へ行きました。紅毛城は、1629年にスペイン人によって建てられた城です。その後、オランダ人が改修しました。紅毛にはオランダ人という意味があるそうです。この後、鄭成功勢力に駆逐され、その約200年後にはアヘン戦争の勃発により淡水は開港を余儀なくされ、ここにイギリス領事館が置かれます。1972年、中華人民共和国を承認したイギリスと台湾(中華民国)は断交し、1980年、紅毛城は台湾に返還されました。赤い外観が印象的な建造物で、内装は質素ながらに品のあるヨーロッパ様式となっていました。
夜は紅楼という古跡に指定されている建物の3階にあるカフェで夕食を取りました。紅楼の外観は紅毛城に似ています。高い所にあるので、カフェの窓からは淡水を一望出来ました。
翌日、3日目は、班行動の一日でした。私たちは台湾の宗教文化を調べる班でしたので、私が強い関心を抱いている台湾の原住民であるタイヤル族の博物館がある烏來へ行きました。烏來は台北の南に位置し、台北から1時間半くらいで、電車とバスを乗り継いでいきました。烏來は、無料の露天風呂のある温泉街で、日本の箱根湯本と似た雰囲気がありました。烏來(ウーライ)は、タイヤル語で温泉という意味があるそうです。博物館では、タイヤル族の機織り文化や入れ墨の風習、伝統儀礼などについて学ぶことが出来ました。
夜は台北の東にある九份の基山街へ行きました。九份へはMTRで台北駅から3駅の忠正復興駅からバスやタクシーで1時間半ほどのところにあります。
情緒溢れる街並みで、茶屋やみやげ物屋などが並んでいました。私は茶屋でお茶を堪能し、トランプに興じましたが、友人はカラフルな綿あめを食べるなどして、各々好きな時間を楽しみました。夕飯は階段沿いのお店の5階で台湾料理に舌鼓を打ちました。こちらでも素敵な夜景を見ることが出来ました。
今回の旅行で私は興味を持っていた台湾の原住民の文化、信仰について二か所の博物館をまわり、実際に目にして学ぶことが出来ました。また、現在は原住民の方々は、開発により土地が失われつつあり、都市で肉体労働をして現金を稼いでいるという、現代的な問題についても知ることが出来ました。今後、文献調査も行い、さらに理解を深めたいです。
今回の台湾は、大変有意義な研究旅行になったと思います。ガイドをしてくれた許さん、引率してくださった寺田先生、ありがとうございました。
文学部人文学科哲学・宗教文化コース2年 高畠有紗