学部・大学院FACULTY TAISHO
哲学・宗教文化コース
宗教文化研究B 台湾調査②
前回に引き続き、宗教文化研究Bの受講生が行った台湾調査の一部を紹介していきます。
2日目の班行動では、台北市の郊外を旅しました。南は猫空から北は淡水まで大移動をしたのですが、土曜日ということもあって交通機関は混雑しており、移動に大変苦労しました。
また、ロープウェイの乗車待ちに大きく時間をとられたことや、早起きしたくないという理由で出発時間を遅めに設定したことが災いし、予定していた場所すべてを周ることはできませんでした。しかし、楽しみにしていた指南宮と関渡宮の2つの廟はゆっくり見学できたので、その様子をお伝えします。
指南宮
指南宮は、台湾道教の総本山ですが少し変わっていて、その120年の歴史の中で仏教、儒教も受け入れ、3つの宗教が1つの廟の中にあります。指南山の麓、海抜およそ300mに位置しており、動物園駅から猫空ロープウェイに揺られること30分ほどで指南宮駅に到着します。駅を出て凌霄寶殿へ向かう道沿いの木には、赤い飾りが印象的な絵馬がズラッとぶら下がっていました。
お守り
メインの建物は凌霄寶殿、大雄寶殿、純陽寶殿の3つで、それぞれ違った特色があります。
凌霄寶殿
中でも印象的だったのは、凌霄寶殿の奥にある太歳神が祀られた太歳殿です。太歳神とは、中国の道教に伝わる祟りの神で、60の干支に対応しています。祀られている60体すべての持ち物やポーズが違っていて、見ていてとても楽しかったです。
どうやら自分の年の太歳神を拝むといいらしいのですが、中国語の説明書きが全く解読できず、見つけられなかったのが残念です。
関渡宮
関渡宮は、台湾北部で最も古い媽祖廟です。最初に目を引くのはやはり豪華な屋根の装飾でしょう。色鮮やかで力強い印象を受けますが、近くで見ると彫刻が細部にわたって施された繊細な造形をしていて見ごたえがありました。
関渡宮
関渡宮の右側には全長80mほどの古仏洞があり、中に入ると洞窟の両壁に二十八部衆の像が並んでいます。日本の仏像は金、木、漆など一色でできているものが多いですが、ここにあった像はすべて肌の部分はクリーム色で、衣装もカラフルだったのが印象的でした。
洞窟を抜けると開いた場所に出るのですが、そこには巨大な金の千手観音が、近くを流れる淡水川を見守るように置かれていました。関渡宮のすぐ隣には玉女殿があり、そこで地元のお父さんに拝拝というお参りの仕方を教えてもらうという素敵な出会いがありました。お香に3度くぐらせたお水をいただくなど、いろいろ親切に教えていただけました。私は中国語を全く話せないので、お父さんが何を言っているのかさっぱり理解できませんでしたが、それでも身振り手振りで一所懸命伝えようとしてくれたのが嬉しかったです。
地元のお父さん
<文責:亀井>