学部・大学院FACULTY TAISHO
哲学・宗教文化コース
宗教文化研究B 台湾調査⑥
前回に引き続き、宗教文化研究Bの受講生が行った台湾調査の一部を紹介していきます。
私たちの班は台北市の墓地を回りました。台湾の墓は日本のものとは大きく異なります。まず、台湾の墓は日本のように家族ごとに墓に入るのではなく一人ずつ墓に入るため数が非常に多いです。また、墓の形も屋根や壁のある家のような立派な墓が多いです。そして台湾の墓は山の上にあることが多いです。私たちは2日目に2つの墓地を回りましたが両方とも山の上にあり汗だくになりました。
まず、台北市の南にある新北市にある私立春秋墓園に向かいました。この春秋墓園は民間の業者に管理されている墓園で市街地からはバスで10分ほどの山の中に位置しています。私たちが訪れたときはシーズンオフだったため人の姿はありませんでした。(台湾の墓参りは年に1度、3月に行うのが一般的)
私立春秋墓園(新北市)
その後はバスを乗り継ぎ台北市の南部にある回教公墓に向かいました。回教とはイスラム教のことです。この墓園は市街地の中に位置していたのですが、近くのMRTの駅からの交通手段が皆無で、30分ほど歩くことになりました。
この墓園も人の姿はありませんでしたが、墓地の中を通る道路は生活道路となっているらしく車がよく通っていました。イスラム教の墓ということでしたが、墓石の形など一般的な台湾のものと違いが無かったことが印象に残りました。
その後、回教公墓を一通り見学し、近くの公園で休息をとり集合場所である公館駅に向かいました。
回教公墓(台北市)
今回の旅行で、初めて海外の墓というものを見ましたが、文化の違いを直に感じることができて面白かったです。また機会があれば海外に行ってみようと思いました。
そして、私たち墓・葬儀班は、二日目、九份という観光地付近で墓を見て、都市近郊にも墓があるのではないかと考えました。なので、台北市で都市近くに墓地が無いかを調べましたが、見つからなかったため、全体で合流する予定の淡水(ダンシュイ)へ一足先に行くことにしました。下が淡水駅を出てすぐ見える景色です。
淡水は台湾屈指の観光地であり、九份同様付近に墓が見つかるかもしれないと考え、ここを散策することにしました。私たちは海沿いの遊歩道を使い、徒歩で漁人埠頭へ向かいました。遊歩道からは都市部の立ち並ぶビル群を見る事が出来ます。
遊歩道をどんどん進んでいくと賑わいは薄れ、閑静な住宅街に入りましたが、墓を見つけることはできませんでした。しかし、その区域は開発を進めている途中で、作りかけの路面電車駅など、とても珍しいものを見る事が出来ました。
もう墓が見つからないであろうと判断した私たちは、埠頭へ進んでいきます。ここまで来ると、もはや建物すらなくなってきました。
そして日没を迎える直前、漁人埠頭へたどり着き美しい日没を眺めました。歩いて四時間程、墓が見つからなかった事も忘れさせてくれるような達成感でした。
夜、全員で合流して夕食をとりました。この時に聞いた事ですが、台湾で開発が進み、高層ビルが建ち並ぶのは、日本とくらべ日照権の権利が緩いからなのだそうです。
追加でお墓に関する資料はとれませんでしたが、台湾と日本の都市の違いを知ることが出来て、とても有意義でした。
寺田先生、台湾について様々なことを教えてくださった許さん、ありがとうございました。
<文責:西本・外川>