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哲学・宗教文化コース

【人文学科哲学・宗教文化コース】宗教文化研究A 武州御岳山調査旅行①

1112日(火)・13日(水)、「宗教文化研究A」を履修している学生は、髙橋先生の引率のもと、東京都青梅市にある武州御岳山を訪れました。これから二回にわたって、調査の内容をブログで紹介します。

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武州御岳山は、山奥で道に迷った日本武尊とその軍勢を導いた白狼(オオカミ)が、「災いを防ぎ、この地を守護せよ」との日本武尊の命を受け、その言葉に従ったオオカミが「大口真神」としてとどまったとされる伝説から、現在では「お犬様信仰」が広がった地です。



12時に御岳駅に到着し、そのまま滝本駅行きのバスに乗車しました。滝本駅からはケーブルカーに乗り換え、御岳山駅に到着しました。13時半には、宿泊でお世話になる宿坊「駒鳥山荘」に到着し、荷物を預けた後、お昼ご飯を食べられる場所を探して山内を散策しました。ところが、前日に山内で結婚式があった影響で臨時休業している飲食店が多く、困ったと思いながら歩いていると、路上でネコを見かけました。そのネコについていくと、奥まった場所に「山香荘」という宿坊があり、そこで少し遅いお昼ご飯をいただくことができました。このネコはまさに招き猫だったのです。



その後、山上にある武蔵御嶽神社へお参りに行きました。グループ全員でおみくじを引いたところ、その内容はなんと江戸時代から変わっていないとのことでした。私が引いたおみくじには「神仏のたたりあり、恐るべし」と書かれていたため、その後、入念に参拝を行いました。
冒頭で触れたように、武蔵御嶽神社はオオカミ信仰と深い関わりがあります。そのため、愛犬祈願所など、ペットと一緒にお参りできる施設が整備されており、大変興味深く感じました。また、江戸時代の神仏習合の名残として随身門があり、この門は江戸時代には仁王門と呼ばれ、仁王像が安置されていたそうです。さらに、門の左側にある広場には、かつてお寺があったとのことです。


山内を散策した後、16時半頃に宿坊にチェックインしました。小休憩を挟んだ後、17時から駒鳥山荘の名物の一つである檜風呂に入りました。このお風呂は木桶をそのまま大きくしたような浴槽で、10人近くが入れるほどの広さがあります。檜の香りに包まれ、非常にリラックスできました。
その後、夕食をいただきました。刺身こんにゃくや川魚が絶品でしたが、とりわけさつまいものご飯がとても美味しく、他の宿泊客の方々も笑顔でお代わりをしていたのが印象的でした。女将さんに伺ったところ、このご飯とさつまいもは、奉納されたものを使っているとのことでした。
夜には、駒鳥山荘のご主人であり御師(参拝者の祈祷や地域案内、宿泊の世話を行い、信仰を広める役割を担っている神職)の馬場さんにインタビューをさせていただきました。お話の中で、馬場さんのご先祖様がどのように宿坊を守ってきたのか、駒鳥山荘前の大木にしめ縄がかけられている由来、ペット同伴の参拝を広めた経緯、聖地であり観光地でもある御岳山の現在など、多岐にわたる内容を伺うことができました。歴史の重みと地域の信仰の深さを改めて感じる貴重な時間でした。
さらに、女将さんからは御札配りに関するお話を、先代と先々代の御師の違いを含めて、資料を見ながら詳しく教えていただきました。資料の写真を撮影してもよいか伺うと、後日郵送してもよいとまでおっしゃってくださり、その優しさと温かさに感動しました。
他の宿泊客が寝静まった後、グループで少し散歩をしました。その際、夜空がとても美しく、神秘的に見えたことが特に記憶に残っています。

※二日目に続きます
 

<文責:タケウチ>

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