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国文学専攻

国文学専攻在学生・修了生インタビュー 2号(後編)

大正大学の大学院国文学専攻の雰囲気を伝える、在学生・修了生インタビュー。こちらの第2号前編に引き続き、この記事では後編をお送りします。草木さん、引き続きよろしくお願いします。

Q.ご自身のご研究の内容や、その内容を選んだきっかけを教えてください。
 現代歌人を代表する一人である栗木京子とその作品について研究しています。栗木京子といえば、教科書にも載っている「観覧車回れよ回れ想ひ出は君には一日我には一生」に代表される相聞歌が有名です。しかし、その特質は「家族」を介し鋭い視点で詠む「社会詠」であると考え、研究を展開しています。栗木京子という歌人に出会ったのは、大場朗先生の授業「詩歌」です。授業で学ぶうちに、その魅力と面白さに気付き今に至ります。

Q.ご自身の研究に取り組む面白さ、楽しさを教えてください。
 私が研究している「現代短歌」という分野は、研究者も少なく他分野と比較すると認知度は低いと感じていました。でも最近は、「誰もやっていないことをやる」楽しみがわかり、研究がさらに楽しくなりました。なかなか論証できず辛い時ももちろんありますが、何かを発見したときは小踊りして喜ぶくらい嬉しいです。

Q.大学院に入る前と入った後で出来るようになったことや変わったことはありますか?
 特に、「口頭発表」「学会発表」に苦手意識がありましたが、院の岩谷先輩(現大正大学助手)の学会発表聴講や先生方のご指導のおかげで、以前よりは怖くなくなりました。「口頭発表」は専門家の先生方から貴重なご意見を頂ける機会ですので、今後もチャレンジしていきたいです。

Q.ご自身の経歴や経験をふまえて、大学院で学ぶにあたって難しいことなどはありましたか?
 確かに不安はありました。学費もかかりますが、履修科目が多い時は仕事をセーブせざるを得ませんし、主婦でもある私には家族の理解も必要です。でも、実際に入学してみたら、私の修士課程同期は、同年代、少し上の社会人・教員経験者でしたし、大学院の先輩方も研究と仕事を両立させている方ばかりでした。それぞれの生活をしながら、生き生きと研究している姿が私には「自由」に映りました。先生方も院生の事情をよく理解し対応してくださいます。全体的に、やはり「仏教」を軸とする大正大学だからこその「面倒見の良さ」があると思います。

Q.大学院生のうちに取り組んでみたいこと、挑戦してみたいことはありますか?
 昨年の研修期間を経て「チューター(総合学修支援者)」に採用されました。今後も「チューター」として学部生の学習支援に携わりたいです。私も学部編入後、レポートや課題等に苦労したので、気持ちがわかります。
 それから、今年度が私の最終学年となりますので、「チューター」として携わることで、お世話になった大正大学に少しでも恩返しができればと思っております。

Q.大学院で学んだことを活かした、将来への夢や希望する進路を教えてください。
 将来は、現在も続けている「日本語教育」と、大学院で学び研究している「日本文学」を融合し教えられる教員になることです。夢は、いつか大学等で「短歌」授業も担当できるようになることです。
 それから、栗木京子歌集も英語翻訳されていますが、今後は「短歌」を世界に発信し、さらに広げる活動もしていきたいです。

Q.これから大正大学の国文学専攻に入学を考えている後輩に向けてメッセージがあれば教えてください。
 私がそうだったのですが、「大学院」で学ぶ・研究することは、「ハードルが高い」ことでした。ですので、いきなり「家を建てる(=研究)」わけではなく、まず「設計図(=なんとなくやってみたいこと)」を描く、そこから「柱(=やってみたいこと)」を立てる、くらいの気持ちで考えてみても大丈夫だと思います。
 もちろん、入学前にやりたかった研究が、在学時に変わることもあり得ます。でも、いつでも丁寧にご指導くださる先生方、助けてくれる先輩方が「大学院」、「国文学専攻」にはいます。
 まず、「研究してみたいこと」「やってみたいこと」を大切に、自分と研究に向き合ってみてください。皆さんと大学院でお会いできるのを楽しみにお待ちしております。

インタビューは以上です。研究の楽しみやご苦労、研究の進行、仕事と両立する心構えなど、様々な点から参考になるお話をうかがうことができました。草木さん、貴重なお話をありがとうございました。

国文学専攻では、今後もこうしたインタビューを実施していきたいと考えています。院生や修了生の方に聞いてみたいことがある方は、教員まで気軽にお問い合わせください。

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