学部・大学院FACULTY TAISHO
社会福祉学専攻
コミュニティソーシャルワークにおけるスーパービジョンの理論と技法~CSWの事例をもとに~神山先生の講義を受けて
過日11月5日(水)において、地域のコミュニティソーシャルワークのスーパービジョンの具体的な実践を交えて、山梨県立大学の神山裕美先生に講義をしていただきました。当日は、院生、豊島区民社協のCSWの多くの参加があり、日頃の実践を振り返り、院生にとっては実践事例研究を通して学ぶ機会を得ました。
そこで、科目等履修生として豊島区民社協からCSWの3名が受講されているので、講義の感想をまとめていただきました。
【感想①】日々、CSWの仕事を実践していく中で、この方法でいいのだろうか、と迷いながら行うことがある。木を見て森を見ずということが多いにある。このような時に、スーパービジョンを受講出来ることはとても心強い。「これでいいのか?」というものに対して、理論づけてもらえることは、そっと背中を押してもらえたようで自信につながる。一方で、独りよがりに走り出してしまった支援に対しては自身で気づき、CSWの視点を改めることができる。
M市のふくし小委員の事例を通した神山先生の講義は、大変わかりやすくキーワードがたくさん詰まっていた。他地域のグループスーパービジョンを聴くことは大変参考になる。また当日は豊島区民社会福祉協議会のCSWも多く聴講しており、職員が抱える一つひとつの問題に対しても、丁寧に紐解いて頂き、何が一番問題なのか自身で気づくまたとない機会となった。今後とも大正大学のスーパービジョン演習を受ける中で、CSWの実践と理論の学びを繰り返し、さらに学びを深めていきたい。
豊島区民社会福祉協議会 CSW :川人
【感想②】神山先生の講義を受講し、CSW業務を行う上でのスーパービジョンの必要性を改めて確認しました。また、CSWスーパービジョンのポイントについても具体的な事例を元に講義をいただいき、そこから見えてきた様々な課題について、自身のCSW業務と照らし合わせて考えることができ大変参考になりました。特に「地域アセスメントを深める」「CSW成果の組織や地域への報告と発信」については、積極的に取り組んでいかなければならない課題だと感じていますが、具体的な実践に結びつかないことが多く苦戦しています。神山先生の講義では、それぞれの課題を更に掘り下げた内容を聴くことができたため、大変参考になりました。
豊島区民社会福祉協議会 CSW:石原
【感想③】 本講義中の事例では、グループワークを通じ、初めはぎこちなかった関係が、顔馴染みでない者同士のグループであっても、共通の地域課題を見つけ、共有するようになってからは、活き活きと動き出す様が印象的だった。グループスーパービジョンの醍醐味なのであろう。
スーパービジョンには虫の目、鳥の目が必要と学んだ。自身の普段の実践を振り返ると、細かいところに拘泥し、俯瞰してみることができていない気づきがあった。また、個別支援に偏っており、環境を動かしながら地域支援をしていくダイナミズムを実感するにも至っていない。グループ内で課題の普遍化を図るには、判断根拠を言語化し、共通認識をもつ、個別・地域アセスメントをしっかり行う等が挙げられる。これら学んだことのひとつずつを自分の担当する地域の実践課題として受けとめ、今後の活動に活かしていきたい。
豊島区民社会福祉協議CSW:船津
【文責:坂本智代枝】