学部・大学院

「学び」と「実践」を通じた人材育成

社会福祉学専攻

社会福祉学専攻 集中講義『障害者福祉研究』を終えて

 

社会福祉学専攻では、科目等履修生を受け入れています(制度の詳細はhttps://www.tais.ac.jp/graduate_school/nondegree/を参照してください)。

 今夏開講した『障害者福祉研究』に科目等履修生が参加しました(この科目は認定社会福祉士の研修認証科目にもなっています)。8月下旬の初日の授業では、各々の研究テーマにまつわるこれまでの経験や関心を「This is Me」としてまとめ、受講者間で互いを知り合う時間を持ちました。その後、受講者の興味関心の幅広さを考慮し、障害福祉領域だけではなく、他の領域も踏まえた権利擁護にまつわる現状と課題について、2グループにわかれて検討しました。統計データや制度施策を整理し、他領域と比較検討することを通して当該領域の課題を再確認し、その解決策を見出す作業は6時間にも及びました。

 9月上旬には2日連続で文献講読を行いました。授業初日に分担した章のレジュメを作成する時間として約1ヶ月を費やし、2日目と3日目の授業では、それを用いた1時間程度の報告と質疑応答、30分強のディスカッションを8セット行いました。なかなかハードなスケジュールですが、各章の関連性が見え始め、共通テーマである「障害者ソーシャルワークに内在するジレンマの要因とそれへの対応」について、各自の研究テーマや現場実践等を踏まえた意見交換が活発になされました。

 科目等履修生として参加した、澤田安識さんの感想をご紹介します。

 「障害福祉領域での経験が15年を超え、日々の相談業務に追われる中で感覚的に動いてしまっていると感じており、改めて根拠に基づいた支援を行いたいと思い、今回科目等履修生として授業に参加させていただきました。

 率直に感想を述べると、学部からお世話になっている沖倉先生や、修士課程の皆さんと議論を交わすことが楽しかったです。議論を交わすことで、少しずつ異なる価値観を共有して新たな視点が生まれ、理解が深まる楽しさがありました。また1冊の文献を読み解く作業を通して、根拠を知る楽しさもあって、今回の授業はソーシャルワークの専門性を考えるいい機会でした。ソーシャルワークはその内容が抽象的であるが故に「なんとなく」で行えてしまうこともあると思いますが、今回改めて専門性について考える機会を得たことは、相談支援専門員としての自信につながると感じています。

 反面、まとめることや発表することに難しさを感じることもありました。しかし今回の授業で行った他者に説明するという作業は、そのことを通して自分の理解が深まり学びにつながったと思うので、日々の相談業務で行っている、利用者や職員、他の専門職などに「伝える」ことを、改めて大事にしていきたいと思いました。

 自分の「知りたい」「考えを深めたい」という気持ちに対して、仕事やプライベートに負担なく学びに繋げられる科目等履修生というシステムは、私にとってはとてもよかったです。これからも、実践を行っていく上で必要な知識が深められるよう、折を見て参加を検討したいと思います。

 最後に、同じ授業を受けた院生の皆さん、楽しい時間をありがとうございました。皆さんの修士課程での研究が成就することを願っております。」

 

 次年度の科目等履修生の出願や手続きに関する情報は、今年度末を目途に大学ホームページに掲載される予定ですが、必要に応じて本学教務課までお問い合わせください。


(文責;沖倉智美)

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