学部・大学院FACULTY TAISHO
社会福祉学専攻
社会福祉学専攻 宮本有紀先生に「共同創造(コ・プロダクション)とリカバリーカレッジ」と題して、講義をしていただきました。
11月27日、宮本有紀先生(東京大学大学院医学系研究科 精神看護学分野)に「共同創造(コ・プロダクション)とリカバリーカレッジ」と題して、講義をしていただきました。
国際的な精神保健福祉の潮流である「共同創造」の考え方とともに、従来の精神保健医療福祉サービスとの比較とエビデンスに基づく視座を多くいただきました。特に、英国で始まった「リカバリーカレッジ」について、英国と日本のプログラム内容や実践方法、パーソナルリカバリーとの関連等、宮本先生の研究と実践を踏まえて、講義していただきました。
特に、宮本先生の「なぜ共同創造に取り組むのか」という問いに対して、「一人で行けば早いけど、みんなでならば遠くまで行ける。Alone we go faster but together we go further.」という言葉が最も本質を貫いていると思いました。
(坂本智代枝)
【院生の感想】
世界の医療福祉で重視されはじめている「共同創造(コ・プロダクション)」について、とても分かりやすく説明をしてくださいました。2009年に英国の精神保健福祉領域で、共同創造による実践として、「リカバリーカレッジ」がはじまり、現在では、28か国で実践されています。日本においても、「リカバリーカレッジ」は広まりつつあります。
精神保健福祉領域のコ・プロダクションは、精神障害当事者と専門職が力を合わせて、サービスの構築や提供にともに関わること。本当に役立つものを作っていくためには、専門職側が必要と思うだけでなく、それを使っている人(当事者)の視点が不可欠であり、共同創造(コ・プロダクション)することによって、当事者が使いたいと思えるようなものが提供できるのではないだろうか、と学ぶことができました。(M2 小林 伸匡)
私は大学院に入学する前は、共同創造(コ・プロダクション)やリカバリーカレッジに注目することがありませんでした。今回の講義を受け、当事者の方を「生きてきた経験を持つ専門家」として、共同創造をしていくことの意味や重要度を知ることができました。特に宮本先生のご経験からのお話や、共同創造の成り立ちと背景に感銘を受けました。共同創造は、マクロ、メゾ、ミクロ、メタのあらゆる場面で、当事者の方の役に立つ、使える支援につながる可能性があると感じています。今後は、共同創造やリカバリーカレッジの学びを深め、研究や実践に活かしていきます。ありがとうございました。(M1 鈴木 郁美)