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TSRシップ 鴨台プロジェクト報告【第2弾】Part1

opj1.gif TSRシップ鴨台ボランティアプロジェクト2回目の報告は、南三陸町入谷地区での現地支援活動の第2日程の様子をお伝えします。

 

 4月13日から17日の日程で、学生15名、教員7名、職員9名の計31名が第2日程の被災地支援ボランティア活動として、現地に赴きました。南三陸町で10日から支援活動を行っている第1日程のメンバーからボランティア活動を引継ぎ、支援内容の改善を試みながら、かつ支援の継続性を重視して、次の第3日程のメンバーへとバトンを渡すことが私たち第2日程のメンバーの役目です。

 

 現地へ向かうバスの中で、第2日程のリーダーを務める波母山(総務部長)から、学生、教員、職員といった既存の垣根を取り払い、全員が一体となり、「ともに努力を重ねて」支援ボランティアに取り組んでいくことが確認されました。
 多くの希望者の中から選ばれた15名の学生ボランティアは、様々な学部・学科、学年から構成されていました。仏教学大学院博士課程の大学院生2名も含まれています。教員5名も全て学科が異なり、職員も各課混成でした。参加した多くのメンバーが相互に面識の少ない中で、一体となった支援活動を行うために、それぞれが積極的に人と関わりながらコミュニケーションをとることを心がけていました。

 教員リーダーである人間学部人間環境学科の高橋正弘准教授は、第1日程からの参加であったため、第1日程の支援活動を私たちが上手く引き継いでいけるように、合同ミーティングを開催しました。その合同ミーティングでは、第1日程のメンバーが輝いて見えました。それはこのボランティア活動を経ることで高まった、被災された方への想いやボランティア活動に対する想いが彼ら・彼女らから溢れ出ていたからです。これらの想いに刺激を受けつつ、私たち第2日程のメンバーも各自の個性を発揮しながら、TSRシップを胸に刻み、「ともに努力して」支援活動を行っていくことを誓いました。

 

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避難場所兼支援本部となっている入谷公民館 救援物資の仕分け場所となっている
旧入谷中学校(現在は廃校)

 

 第2日程のメンバーは、第1日程の活動を引き継ぐ形で、4つのボランティア活動を行っていました。15名の学生は、前日にそれぞれの希望を出し合い、重複の場合は適宜調整しながら、支援活動を決めました。学生の主体性を重視するため、この調整に教職員は関わりませんでしたが、年長の大学院生が取りまとめてくれました。4つの活動と学生の配置人数は以下の通りです。救援物資仕分け班(学生5名)、料理・炊事班(学生3名)、DVD上映・綿菓子班(学生2名)、南三陸町ボランティアセンター班(学生5名)です。教職員は上記のボランティア活動と統括の本部に分かれ、支援活動に取り組みました。

 

 まずは救援物資仕分け班の活動内容を説明します。大正大学鴨台プロジェクトの被災地支援の主な拠点は、南三陸町入谷公民館です。第一弾の報告にありましたが、阿部入谷公民館長と高橋修氏のご協力のもと、入谷公民館に避難されている方々に対するボランティア活動を行ってきました。その一つが救援物資の仕分けです。

 入谷公民館に隣接する廃校の中学校が公民館に避難されている方への救援物資の保管場所となっており、その体育館で衣類の救援物資の仕分け作業を行っていました。また、もう一つの支援活動として、随時トラックなどで搬入される救援物資を、バケツリレー方式などで保管先へと搬入する作業を手伝いました。これらの活動は、被災者の方々とは直接的に関わらない間接的な支援活動の一つですが、避難所では担当する人材が不足していると入谷公民館職員の方が話されていました。

 第2日程のメンバーが仕分けた物資は衣類です。南三陸町では3月11日から電気水道が止まっていましたので(4月16日にようやく電気は復旧しましたが、水道の復旧は数か月先だそうです)、衣服の洗濯はほとんど不可能です。住宅を津波で失い、着替えなどを持ち合わせていない被災者の方も多くいます。こういった状況の中で多くの被災者の方に救援物資を公正に届けるためには、全国から届いた衣類の物資を分類・仕分けていくことが必要となります。第3日程の19日に開催される無料バザーという形で、被災者の方は必要な衣類を手にすることになります。それまでに無数に積み重ねられた救援物資のダンボールに入った衣類を、赤ちゃん用や、男女・上下別に、幼児・子ども・大人用などと仕分けを進めていきます。効率よく仕分け作業を行うために、学生が中心となって仕分け方法を提案したり、教職員も一体となって掛け声をかけあって励ましあったりしながら、何千、何万とある衣類をたたみ、仕分けていきました。アーバン福祉学科の女子学生は、このボランティア活動に意義を見出し、全日程を通して仕分け作業にかかわりました。しかし、日程上バザーには参加できないため、分類された衣類品目が記された、温かみのある看板を仲間と一緒に夜中2時過ぎまでかけて作成し、その想いとともに、次のグループへ渡していました。

 

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救援物資の仕分けを行う


 次に料理・炊事班の内容をお伝えします。この料理・炊事班の主な活動は、公民館に避難されている方など約200名分の昼食と夕食を作ることです。電気・水道が復旧していない中で、200名分の料理を作ることは簡単ではありません。しかし、第2日程のメンバーには、有名ホテルで料理長を務めた経験を持つ小原(危機管理室職員)がいました。被災地に向かう初日のバスの中で、交流のある食品関係の会社の方に電話をかけ、必死に多くの食料や具材の調達を行っていました。被災され避難生活を1ヶ月も過ごされている方々に、美味しく暖かくなるものを食べてもらいたいという気持ちが強かったからです。

 この料理・炊事班は主に小原がリーダーとなりましたが、担当の3名の学生や女性職員それぞれに役割を明確に指示することで、共に働きながら200名分の食事を作ってきました。3日間を通じ、親子丼やビーフシチュー、小エビ入りカレーなど作り、大変好評であったと阿部館長からお言葉をいただきました。100個以上の卵を割り続けたり、無数の玉ねぎを切って匂いが染み付いたりと学生にとって苦しかったことも多かったみたいですが、避難所の被災者の方々の「おいしかった」「楽しみにしている」という言葉によって、その苦しかったことが消え、うれしい気持ちだけが残るとミーティングで話す歴史学科や仏教学部の学生がいました。

 

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料理に必要な水を運搬しています 右から2人目が炊事班リーダーの小原

 

以下、Part2に続きます。

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