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【学生の活躍】長田のぞみさん(人間科学科4年)が「SDGs探究AWARDS2023」にて学生部門優秀賞を受賞しました
2024年3月29日
一般社団法人 未来教育推進機構(UMEDAI)が主催の「SDGs探究AWARDS 2023」で、本学4年の長田のぞみさん(心理社会学部 人間科学科)が提案した「ユースクリニック×カフェ『ゆーすふる』―新しい性教育方法の提案―」が、学生部門優秀賞に輝きました。
長田さんは、高校生の頃から興味を持っているジェンダーの課題において、本学の人間科学科での学びにより、さらに深く考察し、かつ視野を広げる機会を得ました。自身の卒業論文のテーマである「若者の性交と避妊に関する研究―若者への性教育のあり方の検討―」での調査結果をもとに提案をおこない、今回の受賞に至りました。
【学生部門優秀賞】
■ 提案内容
1.目標
18~29歳の若者341名を対象にした調査をおこなったところ、現在性交する相手がいる対象者のうち、避妊をしていない人が2割、避妊に関する正しい知識を持たない人が全体で2割もいることが判明。
日本の若者に避妊に関する正しい知識を持ってもらい、行動をしてもらうことで、望まない妊娠に苦しむ若者が後を絶たない状況を改善する。
2.背景
<学校での不十分な性教育>
日本の性教育には「はどめ規定」があり、小学校から高等学校において性教育について踏み込んで教えるのが難しい。
<若者が性に関する不安を身近で話せる場所がない>
性交や避妊に不安を感じた時、誰にも相談しなかった人が4割いることが調査により判明。若者が性に関する不安を身近で話せる場所が少なく、サポート体制が不十分である。
3.概要
若者の性の悩みを専門家が受け付けてくれるスウェーデン発祥のユースクリニックに注目。ただし日本にはまだ少ない上に、その多くが婦人科に併設されており、病院に行くハードルが高く、男性が行きづらいといった問題点がある。
そこで、ユースクリニックと「カフェ」を組み合わせた『ゆーすふる』という場所づくりを提案した。
<『ゆーすふる』の目的>
「性を身近にオープンに考えられる社会をつくる」ことを目指し、若者が性について知り、考える機会を創出する。
<『ゆーすふる』の特徴>
①偶発的に様々な人が集まる
カフェと融合させることで来訪のハードルを低くした。検査や治療を行なわず、男女問わず来店しやすくした。
②ワークショップなどの企画を開催
性を考えるきっかけとなる「トライシート」や、若者が書いた悩みなどに専門家や大人が答えてくれる「ゆーすのつぶやきコーナー」などを設けたり、ワークショップをおこなう。
①②の特徴により、カフェ目的で偶然に来訪した人にも、性について知り、考えるきっかけを提供する。
■長田さんのコメント
不妊治療や中絶についてのテーマを扱う授業や、社会調査法や統計学のデータ分析の授業など、「心理学」「社会学」「身体科学」の3分野を複合的に学習することができる人間科学科の学びが活きた結果の受賞となりました。就職後は、同じ課題感を持つ人たちとのつながりを見つけ、今回の提案が実際に形になるように動き出したいです。
■担当教員(本学 人間科学科 長谷川智子教授)によるコメント
長田さんは、人間科学科のカリキュラムをバランスよく履修することによって、単一の学問領域の学びだけでは達成できない、人間科学科ならではの「複眼的な視点」からオリジナリティの高い卒業論文を完成させることができました。卒業論文の調査では、若者の性交と避妊についての特徴を統計的に概観するだけでなく、自由記述を質的に分析することによって、深い洞察を可能としました。
今回の優秀賞の受賞は、科学的に実施された卒業論文での調査結果を根拠とした、性教育の提案が理にかなったものであったことも大きな要因であったものと思います。今後は、より効果的で若者の気持ちにマッチした性教育の場を提供してくれることを楽しみにしています。
また、2024年3月17日(日)におこなわれた「SDGs探究AWARDS2023」表彰式に長田さんが参加し、プレゼンテーションを行いました。
▲表彰式でのプレゼンテーションの様子
▲自身の研究を発表する長田さん
■ 審査員講評(一部抜粋)
性教育に関して様々な制約がある中で、現実感のある課題認識を持たれていました。また、一般社団法人“人間と性”教育研究協議会のサークルに実際に足を運んだり、ボランティアにも参加しており、長田さんの熱意も感じとれました。エビデンスがしっかりしている点も評価のポイント。今後は、同じ考えを持つ人達と繋がり、SNS等を利用しながら社会へ発信して、周りを巻き込むことができるとさらに良いと感じました。
長田さん、学生部門優秀賞の受賞おめでとうございます。
4月からは社会人として、ますますご活躍されることを楽しみにしています。
▼「SDGs探究AWARDS2023」受賞作品はこちらから
https://sdgs-awards.umedai.jp/winner.html
▼「SDGs探究AWARDS2023」についてはこちらから
https://sdgs-awards.umedai.jp/