臨床心理学専攻

修了生にむけて

大正大学大学院人間学研究科　臨床心理学専攻　平成22年度修了生の皆様
 

東北地方太平洋沖地震により被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。
この未曾有の危機の最中で、皆さんの門出をお祝いする式を持つことができませんでした。

自然の大きな力を前に、被災された方々の現状には心が痛みますし、
福島原発の事故にはさらなる不安が募ります。これらの危機には、
私たち全員ができることをしながら、立ち向かっていかなくてはなりません。

今ここで、この悲劇と困難を一時だけ脇に置いて、
「ご卒業おめでとうございます」のお祝いを伝えさせてください。

皆さんのこれまでの研究への取り組みと専門職訓練に対するご努力を労い、
その成果をこれから、現場で活かしていってくださいという励ましを送ります。
その代表として、佐川眞太郎さんに専攻賞を授与したことをご報告いたします。

皆さんにとって、この一年は、臨床心理士資格を得るための中間ステップかもしれません。
引き続き、研鑽を積みながら、社会や個人の要請に応えられる専門職として、
成長して行かれますように。

日本全体が大きな危機の中にあります。
このような時期にこそ、自分の力が問われます。
悲しみと不安の中でも、無力感に負けず、できることに取り組みましょう。
仙台に職を得て、これから向かう修了生もいます。
皆さん、それぞれが与えられた場でご健闘されることを応援しています。
 

臨床心理学専攻長
日笠　摩子