学部・大学院FACULTY TAISHO
臨床心理学専攻
【教員紹介】井澗先生
井澗(いたに)知美です。専門は発達臨床心理学です。最近、“発達障害”という言葉は広く知られるようになりました。ニュースやメディアでも取り上げられる頻度が増えたので、皆さんも耳にしたことがあるかもしれません。
では、“発達障害”とはなんでしょうか?いろいろな定義がありますが、ここでは、“発達”と“障害”にわけて考えてみましょう。“発達”は“生まれてから亡くなるまでの心身の変化”、人間の発達は、ヒトという生物として生まれ、人との関わりの中で人間へと発達していくものと考えられます。“障害”とは“妨げがある”という状態です。つまり、“発達障害”とは、人が人との関わりの中で発達していこうとするときにうまくいかない状態にある、その理由として、発達のありようが定型ではない(多数派ではない)ことといえるでしょう。
ところで、社会は“多様性diversity”に着目し、多様性を認めていこう!という流れにあります。発達障害はneuro-diversity(神経学的な多様性、つまり脳が多様)ということになります。みんなが同じだったら世界はつまらないですよね。いろんな人がいるのが社会です、いろんな人がいるから世界は豊かになるのです。
しかし、少数派ゆえに理解が得られず苦労することや、脳の働きの特性ゆえに人とうまく関われないことが起こりえます。今、私が取り組んでいるのは、そのような方々がその人らしく発達するのを支える方法の研究と実践です。
今日はそのうちのひとつ、JASPERを紹介します。JASPERは幼児期早期の自閉症のおこさんの発達を遊びを通して促進する介入法です。写真は開発者Kasari先生のラボでパーティをやったときにKasari先生が焼いてきたJASPERのキャラクター型のクッキーです。こういう遊び心も楽しいですね。遊びは自発的で楽しいもの。自閉症のお子さんと一緒に遊べる工夫を日々試行錯誤しながらやっています。とっても楽しいです!