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宗教学専攻

駒沢宗教学研究会に参加しました

 3月29日(木)に、駒沢宗教学研究会(駒沢大学)が主催する修士論文発表会で、修士課程の林拓弥さんが「自殺予防における宗教者の可能性」を発表しました。司会は弓山達也先生でした。大正大学からはお二人のほか、寺田喜朗先生、星野壮さん、横山福寿さん、齋藤知明が参加しました。

 毎年、年度末におこなわれる駒沢宗教学研究会は、関東の7大学(神奈川大学、慶応義塾大学、國學院大學、駒沢大学、大正大学、筑波大学、東京大学)で修士論文を書いた方が発表者として登壇します。参加者は駒沢大学の先生・学生だけでなく、各大学から多くの先生・学生が参加します。発表者は、修士課程で研究したことを20分という限られた時間のなかで報告し、10分間フロアから質疑やコメントをもらいます。これほど自分の研究を、宗教学を学ぶ先生・先輩にじっくり聞いてもらい意見を言ってもらう会はないでしょう。まさに貴重な時間です。

 大正大学を代表して発表した林さんは、仏教者・仏教教団による自殺対策の現状と課題という、これまでの研究にはあまりみられなかったことを修士課程で研究しました。現代社会において自殺対策は急を要する社会問題でありますが、そのなかで仏教者・仏教教団はどのような自殺対策をおこなっているか、そしてそれがどのような社会的機能を持っているか、そして他の団体(たとえば行政やNPO団体)がおこなうような自殺対策と比較してどのような利点と課題があるかなどを、今回報告されました。フロアからは、研究の意義や論理展開に関するコメントや、今後宗教界はどのように自殺対策を展開すればよいかなどの質問が挙がりました。私も、仏教者・仏教教団だからこそ可能な自殺対策の具体的事例に関心を持ちました。今後の研究の発展が待たれます。

 今回の駒沢宗教学研究会での発表は現代研究が目立ちました。それほど、現代の社会において「宗教」の側面が表出している、あるいは見出すことができるのでしょう。もちろん、宗教研究において以前から続く課題もあれば新しい問題もあると思います。宗教と現代社会を考えるうえで、多くの刺激を受けることのできた研究会でした。

(文責・齋藤知明)

 林さんの発表

林さん発表

 (この記事は、大正大学宗教学会のホームページの内容を掲載しております)
大正大学宗教学会HP http://www.taisho-shukyogakkai.net/

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