学部・大学院

「学び」と「実践」を通じた人材育成

宗教学専攻

「としまコミュニティ大学」ゼミ紹介④

「こどもに『いのち』をどう教えるか~市民が提案するいのちの授業~」④

  担当:弓山達也(マナビト支援者)

           齋藤知明(マナビト支援補助者)

 

 実施日:6月25日(月)10時~12時

 教 室:大正大学3号館1階 鴨台プロジェクトセンター

 受講者:10人

 

 第4回のゼミテーマは、「「いのちの教育」の現在」でした。最初に「いのちの教育」の具体的な実践例を知るために「週刊こどもニュース」(NHK、2007年2月17日放映分)を鑑賞しました。本番組では、90年代にいじめによる子どもの自殺が相次いだことを受けて、医師の出前授業や子どもたちに「生」を感じさせるために考えられた授業など、「いのち」の大切さについて考える取り組みが紹介されていました。

 次に弓山教授から「いのちの教育」の特徴について説明がありました。「いのちの教育」には「自尊感情」「傾聴」「共視(共有体験)」の3つの重要なキーワードがあるとのことです。「自尊感情」とは、自分はそのままで価値があるんだと思う心。この心を肯定することが「いのちの教育」を行う上で前提となります。「傾聴」は、相手の話をそのまま受け入れること。その人の言った発言をオウム返しのように返答してもよく、あなたの話をきちんと聞いていますよ、という姿勢が求められます。「共視(共有体験)」は、同じものを見たり同じ行動をしたりすることによって、同一の体験や時間を共有すること。このことによって、人間は喜びを得られるとされています。

 他にも、実際の学校教育現場でおこなわれている「いのちの教育」実践例が紹介された後、現代の子どもに対する「いのちの教育」はどのようにすべきかをディスカッションするために、受講生は2つの班に分かれました。弓山教授と齋藤もそれぞれディスカッションに加わりました。そのなかでは、“やはり学校で生や死を教えるのは難しい”、“「心のノート」に書かれてあるような「大いなるもの」を宗教色抜きで伝えるのは無理なのではないか”、という意見が多く聞かれました。一方で、普段食べている食肉などがどのように育てられ、殺され、我々の食卓に出てくるか、これら一連の過程を実際に子どもたちに見てもらえば「いかに私たちが生かされている」ということに気づいてもらえるのでは、という建設的な意見も挙がりました。

   (文責・齋藤知明)

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(この記事は、大正大学宗教学会のホームページの内容を掲載しております)

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