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宗教学専攻

大正大学宗教学会2012年度秋期大会が行われました

 2月19日(火)、本学2号館4階241教室にて大正大学宗教学会2012年度秋期大会が開催されました。大会には30名ほどが参加しました。院生1名(魚尾和瑛さん)の研究発表に続いて、村上興匡先生を代表とする沖縄研究に関するパネル発表が行われました。パネル発表には、学外から駒澤大学教授の池上良正先生をお招きし、コメントをいただきました。

 

 魚尾さん(本学博士前期課程院生)の発表「台風被害と宗教―狩野川台風後の子どもの作文を事例として―」では、魚尾さんが本年度提出した修士論文をもとにして、伊豆半島をおそった台風による被害を目の当たりにした子どもたちが見せた反応に関して、子どもたちの作文から分析した結果が発表されました。はじめての学会発表であった魚尾さんは若干緊張していましたが、寄せられた質問や意見を答えているうちに、今後の課題が明らかになったのではないか、と思われます。

魚尾発表

 

 パネル発表「沖縄の地域開発と宗教的文化要素の変容―観光、墓、戦死者慰霊の本土化・沖縄化―」では、村上先生以外に、塩月亮子先生(跡見学園女子大学教授)と佐藤壮広先生(大正大学講師)による研究発表も行われました(佐藤先生の分は村上先生が代読)。

沖縄シンポ

 現代沖縄が「本土化」と「沖縄化」という相克するような状況下にあると考えたときに、①観光と宗教の関係、②墓地に対する意識と墓地行政の関係、③戦争死者の遺骨収集、という3つの事象はそれぞれどのように把握できるのか、そして互いにどのような関係にあるといえるのか、ということが発表されました。それに対して、コメンテーターの池上先生からは、「そもそも現状において、本土化と沖縄化という概念を設定するような状況にあるのか」という大きな観点からの質問から、個々の発表に関する細かい質問まで、多岐にわたるコメントがなされました。そして発表者によるリプライが行われた後、フロアを含めた質疑応答では予定された時間を大幅に上回る白熱した議論が展開されました。 その後は懇親会が行われ、発表者の先生方や池上先生を中心として、発表に関する議論の続きから懐かしい昔話まで話され、和やかな雰囲気のまま大会は終了いたしました。

2012秋大会

 発表された先生方や魚尾さん、本当におつかれさまでした。コメンテーターの池上先生には心から感謝申し上げます。参加された他の先生方やOBのみなさま、そして準備・運営に関わった院生の皆様にも御礼申し上げます。

(文責・星野 壮)

 

(この記事は、大正大学宗教学会のホームページの内容を掲載しております)

大正大学宗教学会HP http://www.taisho-shukyogakkai.net/

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