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宗教学専攻

【宗教学専攻】大正大学宗教学会2017年度春期大会が開催されました

 2017年6月17日に、大正大学において大正大学宗教学会2017年度春期大会が開催されました。今回の大会では、以下の発表が行われました。

第一報告
「交通網の発達にみる聖地の変化-武州御岳山を事例として-」 
高田 彩さん(大正大学大学院博士後期課程)

第二報告 
「「大逆事件」連座者の僧籍復権の過程-内山愚童と髙木顕明の比較検討-」 
福井 敬さん(大正大学大学院博士後期課程)

第三報告
「宗教学の社会的責任―研究と実践をつなぐ2つの事例―」
高瀬 顕功先生(大正大学地域構想研究所 助教)
小川 有閑先生(大正大学地域構想研究所 主幹研究員)


 高田さんは、関東屈指の山岳信仰の霊場である御岳山と青梅鉄道・御岳登山鉄道を事例として取り上げ、明治時代以降、全国的にみられる寺社仏閣(聖地)と鉄道会社の関係性について、分析を行いました。

 福井さんは「大逆事件」の連座者であった真宗大谷派僧侶の高木顕明ならびに曹洞宗僧侶の内山愚童の宗門内における僧籍復権運動の展開過程を明らかにすることにより、両者の復権メカニズムの比較検討を行いました。

 小川先生は「臨床宗教師の展開」についての報告を行いました。臨床宗教師とは、医療現場や災害現場などの公共空間において、布教や勧誘をせず、相手の価値観を尊重しながら、心のケアを行う宗教者のことです。今後の日本社会において臨床宗教師がどのような役割を果たせるか、さらに宗教学が果たすべき役割について検討を加えました。

 高瀬先生は「RISTEX川崎PJへの参加」についての報告を行いました。神奈川県川崎市をフィールドとして行われている公私提携ケアモデルの研究開発の調査(RISTEX川崎PJ)の中で、寺院や教会がソーシャル・キャピタルの形成に寄与する――人々の「集いの場」となる――可能性を示唆しました。


高瀬先生による発表の様子

 今回の大会には、多くの先生方、OB・OGの方が参加され、学外では、上智大学グリーフケア研究所所長の島薗進先生にもご参加いただき、発表後の質疑応答では活発な意見交換がなされました。また、大会後には懇親会が行われ、本学院生とOB・OGの方々、諸先生方との親睦がより一層深まるものとなりました。

 大正大学宗教学会では年に2回、様々な研究発表・報告がおこなわれています。大学院ではどのような研究がおこなわれているかを学べる場ですので、興味・関心を持った方は是非参加をしてみてください。

(文責:松平寛正)

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