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宗教学専攻

【宗教学専攻】村上興匡先生ほか共著『現代日本の宗教事情〈国内編I〉』の紹介

 本学教授の村上興匡先生、本学非常勤講師の弓山達也先生(東京工業大学)、本学専任講師の星野壮先生が共著者として執筆された論文集、『いま宗教に向きあう1 現代日本の宗教事情〈国内編I〉』(岩波書店、2018年9月刊)を紹介します。

 本書は、少子高齢化や過疎問題が叫ばれる現代日本において、伝統宗教と新宗教はどのような現状にあるのか、具体的な事例をもとに検討されたものです。「よく無宗教だと言われる日本だが、地域社会でもビジネスでも、宗教に無関心ではいられない」。また、他宗教に寛容であるとも言われるが、近年増加する移民や在留外国人の宗教に対し、日本人はどのように向き合っているのか。
 全4巻からなるシリーズ第1弾の本書では、人口減少で存続や役割が問われる寺社、墓と寺の後継者問題、オウム事件後の新宗教、スピリチュアリティと教育やケア、韓国人ニューカマーや滞日ブラジル人、滞日ムスリムと地域の関係など、多様なテーマが1冊にまとめられています。

村上先生は、第1章「個人化する葬送──墓と寺の後継者問題」、
弓山先生は、第6章「スピリチュアリティといのちの教育」、
星野先生は、第9章「滞日ブラジル人の急増と宗教的なコミュニティの展開──カトリック教会の場合」をそれぞれ担当されています。

目次は以下のとおりです。

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巻頭言 (島薗 進)
序論 変わり続ける宗教/無宗教 (堀江宗正)

一 岐路に立つ伝統宗教
【争点1】伝統回帰? それとも地方消滅?
第1章 個人化する葬送──墓と寺の後継者問題 (村上興匡)
第2章 地域社会と神社・祭り──人口減少と地域再生の中で (黒崎浩行)

二 新宗教の現在
【争点2】オウム真理教事件後,新宗教は衰退したのか?
第3章 民衆宗教としての新宗教 (福嶋信吉・堀江宗正)
第4章 模索する新新宗教──聖地と墓地をめぐって (松岡秀明)

三 現代人のスピリチュアリティ
【争点3】スピリチュアル・ブームは一過性のものだったのか?
第5章 死後はどう語られているか──スピリチュアリズム的死生観の台頭 (堀江宗正)
第6章 スピリチュアリティといのちの教育 (弓山達也) 
第7章 現代日本社会での傾聴のにない手たち──医療・福祉・心理分野のスピリチュアルケア (葛西賢太)

四 在留外国人と宗教
【争点4】日本人は他宗教に寛容なのか?
第8章 韓国人ニューカマーとキリスト教会の変容──多文化共生の拠点へ (李 賢京)
第9章 滞日ブラジル人の急増と宗教的なコミュニティの展開──カトリック教会の場合 (星野 壮)
第10章 滞日ムスリムと日本の地域社会 (沼尻正之・三木 英)

シリーズ「いま宗教に向きあう」について
(争点1~争点4 執筆・堀江宗正)
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                                     (文責:大場あや)

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