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宗教学専攻

【宗教学専攻】日本宗教学会第82回学術大会に参加しました

 

98日(金)~10日(日)、東京外国語大学府中キャンパスにて、日本宗教学会第82回学術大会が開催されました。今回は3年ぶりに、全面的な対面での学会開催となりました。

  大会第23日目には個人発表とパネルディスカッションが行われ、本研究室からもOBOG含め多数の関係者が発表しました。発表内容は以下の通りです。
 

【9日】

高瀬顕功先生(大正大学):「コロナ禍における葬送儀礼の変化と僧侶の課題意識」

 本学講師の高瀬先生は、本学の地域構想研究所BSR推進センターで20202022年末までに4回実施した寺院対象のWeb調査「寺院における新型コロナウィルスによる影響とその対応に関する調査」の結果を分析し、寺院運営の見通しについて僧侶の年齢層別による傾向の研究報告をされました。

小川有閑先生(大正大学):「アンケート調査から見る月参りの実態と減少の要因」

 本学地域構想研究所BSR推進センター主幹研究員の小川先生は、浄土宗大阪教区でおこなったアンケート調査を分析し、月参り(その家の直近の死者の月命日に、檀那寺の僧侶が訪問して読経する習慣)が、現在はどのような状況にあるか、研究報告をされました。

弓山達也先生(東京工業大学):「現代コミューンの宗教性-獏原人村満月祭の事例から-」

大正大学元教授で、本学会の顧問でもある弓山達也先生は、福島県河内村にある獏猿人村(196070年代のカウンターカルチャーの流れを汲むコミューン)において開催されている「満月祭」へ参与観察を行い、彼らの思想と実践を検討されました。

岡田正彦先生(天理大学):「明治改暦と近代仏教―太陽系と須弥界― 」

林淳先生(愛知学院大)を代表者とする「明治改暦150年に近代日本を問う」のパネル発表にて、本研究室OBである岡田正彦先生が登壇されました。岡田先生は須弥山をめぐる議論に焦点を置き、明治政府による改暦が近代の仏教思想に与えた影響を考察されました。 

【10日】 

大場あや先生(日本学術振興会):「中国江西省における殯葬改革の展開 ─メディア言説を中心に─」

本学OGで、現在、非常勤講師をお務めの大場先生は、中華人民共和国・江西省における殯葬改革の実態と住民の対応について、新聞・雑誌・ネット記事から検討し、さらにこの動向をめぐる中国知識人の言説を検討されました。

小前ひろみさん(大正大学):「初期加州基督教青年会の信仰―帝室博物館の原田治郎―」

本学博士後期課程在学中の小前さんは、明治26年に渡米し、苦学の末、日本美術の紹介者として戦前に活躍した原田治郎の人物研究に取り組んでいます。今回は、原田とカリフォルニアのキリスト教会との関わりに焦点を当てた検討を行いました。

寺田喜朗先生(大正大学):「戦後日本の仏教福祉―鈴木宗音と昭徳会― 」

戦後日本の仏教福祉事業の推進者として鈴木宗音(宗教法人大乗山法音寺・学校法人日本福祉大学・社会福祉法人昭徳会の代表)を取り上げ、彼の事跡を跡付けるとともにその背景にある思想・信念を検討されました。近代仏教と新宗教の差異や日蓮主義運動との関係性等について議論が交わされました。

小泉壽さん:「近世の成田不動と日蓮宗祖師信仰に表れた現世利益」

本学修了生である小泉さんは、江戸時代における成田不動信仰および祖師信仰について、その人気の高さの要因として想定される霊験譚が、どのような性格を持っていたのか検討しました。

 以上で、日本宗教学会第82回学術大会の報告を終了します。日本宗教学会は、10以上の部会に分かれて様々な分野の発表が行われるため、最新の研究動向を幅広く掴むことができる貴重な機会です。本研究室では、発表の有無にかかわらず、積極的に参加することを推奨しています。

今大会のプログラムとパネル発表要旨集は以下のサイトで閲覧できます。ぜひご覧下さい。

https://jpars.org/conf-past.html

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