学部・大学院

「学び」と「実践」を通じた人材育成

宗教学専攻

【宗教学専攻】草津ハンセン病療養施設フィールドワーク① 栗生楽泉園編

宗教思想史特論の授業は「宗教と病い―ハンセン病をめぐって―」をテーマに開講されていますが、授業ではハンセン病関連の文献講読とデイスカション及び関連映像の視聴に基づく、ハンセン病資料館での現地研究が行われました。

現地研究のはじめとして、東京都東村山市にある「国立ハンセン病資料館」での拝観を行い、そこで得られた知見等のレポートとディスカッションを行いました。

また6月28、29日は、群馬県草津町にあるハンセン病関連施設等での現地研究を行いました。

1日目は、国立療養所栗生楽泉園社会交流館内でVTRを視聴し、療養所内での生活の様子や、ハンセン病治療の経緯など展示物を見学しました。また草津では、明治21年から昭和17年にかけてあった「湯ノ澤地区」とよばれたハンセン病患者さんたちによる自治生活地区の説明もありました。

その後、「社会交流館」から少し離れた場所にある「重監房資料館」に移動しましたが、栗生楽泉園には患者さんに対する懲罰のための「重監房」という施設がありました。ここには違法行為を犯した患者さんに加え反抗的な患者さんが、全国のハンセン病療養所から送られてきましたが、高さ4.5mのコンクリートの壁に囲まれ、ほとんど光のない重監房の中での生活は過酷なものと想像に難くありません。この資料館には実物大の模型があり、私はその中に入って、重監房に入れられた方たちの気持ちを思い描きながら、いろいろ考えさせられました。

「重監房資料館」に続いて、この施設内で亡くなられた方たちの遺骨が納められた「納骨堂」も見学させていただきました。この納骨堂の傍らには、「命カエシテ」と刻まれた小さな碑があります。この碑は「感染予防」を理由に強制的に堕胎された胎児のための供養碑です。

以上三か所の施設見学は、ハンセン病患者さんたちの生活の様子などを再確認し、授業のテーマについて広い視野に立って考察していくことの大切さを認識するものでした。

(2日目の報告は次回のブログをご覧ください)
(文責 茨木龍芳)

GO TOP