学部・大学院FACULTY TAISHO
DAC(総合学修支援機構)
新入生の皆さんへ 基礎技法B担当教員よりメッセージ⑨ (櫛田良道先生)
新入生の皆さん4月から紹介してきました、基礎技法B教員から
新入生の皆さんへのメッセージですが、
今回は櫛田良道先生です。
★★★櫛田良道先生のメッセージ★★★
みなさん こんにちは。
櫛田良道(くしだりょうどう)と言います。
基礎技法Bの授業は、今年は1コマだけなので、
顔を合わせる機会は少ないかもしれませんね。
私は文学部歴史学科に所属しています。
専門は近世仏教史。江戸時代の徳川幕府と宗教のかかわり方など
について研究しています。
さらに絞り込めば、
元禄時代、5代将軍徳川綱吉(お犬さま)の時代が専門となります。
個人的な話ですが、
歴史の研究には史料が付き物です。
良質な史料があると聞けば飛んで行き、
新しい古文書が出てきたと聞けば駆けつける。
大変な作業ではありますが、
興味の赴くままに、古文書を探しに
出かけることは楽しいことでもあります。
そんな時、ふと思い出すのです。
20数年前、学生だった頃の私は
ブラックミュージックが好きで、
興味の赴くまま“知りたい”
という欲求に任せNYへ行ったことを。
そこで触れた本物であるが故の重さや、
新しさ、素晴らしさは忘れることができません。
現在は、形を変え、古文書や史料となりましたが、
本物に触れる感動やその重みは、
今も昔も変わらないのです。
私自身不思議に思うのです。
あの頃、NYにレコードを探しに行っていた自分が、
気づけば日本史の研究をしているのですから。
現在に繋がる過去からの道のりを振り返ると、
余計なことも多かったように思います。
しかし、後悔もしていませんし、
無駄ではなかったと実感しています。
それは、さまざまな視野が私の研究に
ヒントを与えてくれているからです。
さて、
大正大学の「基礎技法B」では何を
学びましょうか?
大きな枠組みとしては
レポートの書き方・文章表現が
中心になると思います。
しかし、私が常に受講生のみなさんに
伝えたいことは他にもあります。
その1つが、物事を捉えるときの
客観性と柔軟性です。
自分がどんなことに興味があるのかは自由です。
しかし、だからこそ、
他人の理論・意見・指摘などを受け止める。
という姿勢も大切だと思います。
他人の考えを一度は受け止めてみると、
自覚できていない自分の思考などが、
姿を現す時があります。
実は、その瞬間に新たな論点やテーマなどを
思いつく時があったりするのです。
たくさんのことを見聞きして、知ってください。
蓄えてください。
そして、その知識を自分の経験と重ね、
自分の理論を展開させてください。
これは勉強の世界だけの話ではないです。
皆さんが将来迎えるであろう社会生活にも繋がる話です。
社会は、たくさんの意見をまとめ、
1つの指針を提示できる人も必要としていますから。
基礎技法の授業では、レポートを書く作業を通じて
自分自身の新たなスキルアップを目指してください。
そうしたお手伝いができたらいいな…そんなふうに思っています。
一年間、どうぞよろしくお願いいたします。
櫛田良道
★★★★★
櫛田先生、ありがとうございました。
他人の意見を受け止める柔軟性は、
これからの学生生活においても、
社会に出てからも、人として大切なことです。
「基礎技法B」の授業では、グループ内で
自分の意見を発表する機会が多くあります。
皆さんには、これらのワークをとおし、
相手のことを尊重し、また、自分の意見も
しっかり説明できるようになってほしいと
願っております。
次回からは、基礎技法B TAさんのメッセージを
紹介します。
楽しみにしていてください。
由井恭子