学部・大学院

「学び」と「実践」を通じた人材育成

仏教学コース

【仏教学科教員リレーメッセージ】勝野隆広先生

仏教学部仏教学科の在校生・新入生へ向けて 

 
この度の新型コロナウイルスも感染拡大の猛威の前に、さまざまな活動が自粛要請されています。
大学の教育・学習の場も、いわゆる「3密」に該当する危険性が高いことから、
その多くの活動が制限されています。
更に非常事態宣言の発令で人との接触を8割減らすことが求められて、
家に引きこもりの生活を余儀なくされていると、改めて人間にとって、他者とのコミュニケーションがどれだけ重要であるかが意識させられます。
人と人との接触=コミュニケーション・交流で、自分を含めた今の社会が成立していることを実感しております。

さて、仏教を構成する三大要素に仏・法・僧の三宝があります。
宗学コースに属する学生さんの多くは、きっとこの三宝のうちの「僧=お坊さん」を目指していることでしょう。
さて仏教学では「僧」という言葉は、サンガ(僧伽そうぎゃ)の訳語で、四人以上の出家者で構成されるコミュニティーだとされます。
僧とは、仏教の理想を追求する修行仲間の集まりを指す言葉なのです。
 
大正大学の仏教学科も、一つの「僧」であると思います。
仏教の理想に一歩でも近づきたいと研鑽している仲間の集まりなのです。
仏教学科所属の教員はもちろん、そこで学ぶ学生の皆さんも、この重要な僧の一部です。

在学生の皆さんは、そのことを良く理解していることでしょう。
仲間とともに活動することによって、互いに良い刺激となって、励ましあい、切磋琢磨しながら向上していく集団=「僧」が、仏教学科なのです。

今は、悲しくもそうした集団として僧の行動ができない状況にあります。ですが「僧」の集団である前提として、仏教では個々人の行動に、「縁起(善因善果・悪因悪果)」の考えが求められます。
簡単に言うと、「よい行動が良い結果を生む」、別の言い方をすると「人の幸福は、その人の努力によってかなえられる」ということです。
つまり自分の将来は自分が今どう行動するかにかかっている!ということです。
コロナ感染対策に関しても、「今の行動が、未来を変える」という行動変容が強く求められていますが、このことは私たちの行動全般に通じることでしょう。

自宅で自分の裁量で過ごす時間が多いなか、自分の目指す理想(未来)に向けて有意義な時間の使い方をしなければと自戒を込めて思います。

コロナ感染が、終息した暁には、新入生も交えた、新たな仏教学科=「僧」の集まりとして、教員も学生も共に充実した大学生活を送りたいものですね。
心から楽しみにしています。

 

令和2年4月20日
仏教学科 勝野隆広 拝 


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