学部・大学院

「学び」と「実践」を通じた人材育成

臨床心理学科

石川亮太郎先生の研究論文が、国際学術誌に掲載されました。

2022年9月、当学科の石川亮太郎先生と千葉大学の西口准教授らの研究グループによる研究論文がInternational Journal of Cognitive Therapy(Springer)に公開されました!
https://link.springer.com/article/10.1007/s41811-022-00143-z

以下に、石川先生による研究紹介です。
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この研究では、ストレスに対するコーピング(対処力)の程度を測定する、新しい心理テストを作成しました。その心理テストは“MAX”という名前で、もとはドイツで開発されたものですが、この研究で日本語版を開発しました。

ストレスに対する対処能力を意味するストレスコーピングという概念はとても幅広く、以前から何度も研究されてきました。一般的に、ストレスコーピングが高い人達ほど、抑うつや不安といったメンタルヘルスの症状が少ない傾向があります。しかし、ストレスコーピングと一概にいっても、ストレスを解決する善玉のコーピングもあれば(例: 積極的に問題解決を図ろうとすること)、逆にストレスを余計に悪化させてしまうような悪玉のコーピング(例: 嫌な気持ちを心のなかで抑えつけようとすること)もあるということが分かってきました。この研究で開発された心理テストでは、善玉である適切なコーピングと、悪玉である不適切なコーピングの両方を測定することができます。また日本人とドイツ人のストレスコーピングの傾向についても、MAXを用いて比較検討をおこないました。その結果、日本人の方が、不適切なコーピングをする傾向がやや高いといった傾向がみられました。このような結果からも、日本の医療や教育やのなかで、自分にとって長期的に作用する善玉のコーピングとは何かということを積極的に議論する必要があると感じました。
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臨床心理学の研究の発展のみならず、日本とドイツという二国間の国際連携のよい例とも言えると思います。

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