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国際文化コース

「バットマン」って何者?――8月25日オープンキャンパスのお知らせ

8月25日、26日にオープンキャンパスを開催いたします。カルチュラルスタディーズコースの受験を考えていらっしゃる受験生の皆さんの参加をお待ちしています。大学.jpg

25日の内容について、お知らせいたします。

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25日午前のコースセミナーは、「カルチュラルスタディーズは何を研究するの?」、カルチュラルスタディーズならではの学問の方向性を説明いたします。限られた時間ですが、いろいろな学問分野の成果を取り入れながら、既成の学問研究とは異なる分析を試みる新しい研究方法を、音楽やアートを例にしながら、できるかぎり具体的に説明したいと思っています。

25日午前の模擬授業は、最新作が上映中の「バットマン」。振り返ってみれば、アメリカンコミックスのヒーローも誕生からずいぶん歳を重ねました。文化の多様性を考えるための分析手法を考えたあと、「バットマン」からどのような文化研究が生まれるのか、考察します。模擬授業はいつも時間が足りなくなってしまうのですが、会場のみなさんにも発言しただけるようにしたいと思っています。

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25日午後のコースセミナーは、カルチュラルスタディーズコースのカリキュラムを、4年間の学びの流れを示しながら説明いたします。段階的にどのように勉強が発展していくのか、それぞれの学年でどのような力をつけていくことをねらいとしているのか、お話したいとと思います。2年生という早い時期にカルチュラルスタディーズコースではゼミに分かれて活動が始まりますが、それぞれのゼミでどのような活動をしているのか、課外授業と正課授業との関わりはどのようになっているのか、ということもお話します。

25日午後の模擬授業はスペインに注目します。栄光と衰退の彩なすスペインで、伝統と革新、政治と文化がせめぎあっています。ヨーロッパ、というと皆さんはどのような国を思い浮かべるでしょう? オリンピックの直後ですから、イギリス、という人も多いかもしれませんね。ヨーロッパの覇権は、ルネッサンス期以降、めまぐるしく変わります。大航海時代の覇者はスペイン。1588年に無敵艦隊がイギリスに敗れると、制海権を失い、国際的な力は急速に薄れていきますが、スペイン語は中南米の言語となり、そこからアメリカ合衆国に移入した人びとが、ヒスパニックと呼ばれるスペイン語の文化集団を形成しています。一方でスペイン本国では、20世紀を通してファシズムや独裁で、不安定な状況が続きました。でも、国際政治や経済において、大きく遅れをとったスペインが、息の長いモダニズム(文化の革新運動)をはぐくんだのも事実です。

20世紀のキーワードが「国家」であったとすれば、21世紀のキーワードは「民族」かもしれません。民族的多様性を内包するスペインは、これからの文化研究に、さまざま方向からたくさんの示唆を提示しています。スペインに固有の精神構造の影響は、たとえば、サッカーにも見られます。サッカーは地域に根差したクラブチームが勝敗を競いあいますが、民族の異なるスペインのサッカーの試合は単なるスポーツの試合ではなくなる要因をたくさん持っています。フーリガンなど無縁の日本ではなかなかその意味をつかみにくいのですが、ナショナルチームの前に、地域や民族の代表者としてのクラブチーム、というあり方は、スポーツ文化のオルタナティブの一つかもしれません。

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カルチュラルスタディーズは、中心からではなく、周辺から文化を分析します。「バットマン」という大衆文化から、スペインという文化圏から、文化を見る新たな視点を体験してみませんか。ご来場をお待ちしています。

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