学部・大学院FACULTY TAISHO
国際文化コース
大学で学ぶこととキャリアを考えること
大学でのまなびを充実させることが、キャリアへの一番の近道、そう考えてカルチュラルスタディーズコースの3年生たちが取り組んでいるのか「課題研究ⅠC」という授業です。
入学してから2年がすぎ、大学生活の後半に入った3年生は、この時点で進路を考える時期にさしかかります。これからいよいよ大学生としての本格的な勉強がはじまろうというときに、卒業後の進路を考えなければならず、そしてその対策もたてなければならないというのは、学生にとっても、教員にとっても、大きなディレンマです。
でも、だからと言って、社会の制度を変えてから、自分の進路を決めよう、というわけにはいきまん。「新卒」が就職するのに有利な条件であるのならば、そのメリットをみすみす見逃すわけにもいきません。
そこで、私たちは、それを逆手にとって、学んできたこと、いま学んでいることを、明確に意識し、自分が取り組んでいることの意義をはっきり人に伝えられるようになるチャンスであるととらえることにしました。大学生活はたったの4年間、その中間地点に3年生はいます。自分の選んだ大学、学部、学科、コースで自分が何をしてきたか、何をしたいか、そのために何をしているか、何をしようとしているか、説得力のあることばで説明できるか。3年生たちは大学生活の前半を総括しつつ、後半の充実した研究活動のために議論を重ねています。
このこととやがて就職活動で遭遇するであろう面接やグループディスカッションで求められる力は、けっして矛盾しません。
一生懸命に勉強して、考えたことを人に伝えて、、調べて分析して考察して、発表して人の意見も聞いて、さらに議論を掘り下げて、自信をたくさん引き出してほしい、臆することなくどうどうと自分を出すことのできる学生たちになってほしいと願っています。そのためには自分の意思や意見を、明確に自分で把握できていなくては・・・
教科書で学んだ外国語が日常のコミュニケーションに本当に役立つものであるという実感になるにはそれなりの努力が必要であるように、大学のまなびが本当に社会で有用な力であると実感するためには、学問と社会をつなぐ科目が必要と考えて始めた取り組みです。
CEC(キャリア・エデュケーション・センター)にもたくさん協力していただいています。先日の授業では、相手に届くことばが必要、ということを、「ことば」と書いたボールを実際に投げ合って、学生たちに示してくださったあと、はたしてそういう議論ができるか、と学生に呼びかけて、就職活動の現場さながらの模擬グループディスカッションを実施してくださいました。ありがとうございます。
教室の端から端まで投げられたボールに、学生たちはドギモを抜かれました。でも「そうなんだ、ことばはそれくらい勢いよく、自信をもって、相手まで正確に届けなければならないのだ」ということを、一瞬のうちに呑みこみました。
学問と社会はつながっている、と確信して、これからも文化研究を楽しみながら、企業就職、大学院進学、留学など、具体的な進路をみんなで考えていきます。♪(伊藤淑子)