学部・大学院

「学び」と「実践」を通じた人材育成

国際文化コース

コミュニケーションガイダンス:1年生の感想から

コミュニケーションガイダンスは、まさに「学生間、先輩と後輩間、学生と教員間のコミュニケーション」がスムーズにとれるようになるための「ガイダンス」です。4月1日に入学式があって、まだ大学生になりたての4月4日に実施されました。047.JPG

カルチュラルスタディーズコースでは、とにかく「コミュニケーション重視」で、まるで「歩く会」のようなプログラムを在学生と相談しながらたてました。大学からサンシャインまで歩く、歩きながら交流する、そしてプラネタリウムをいっしょに鑑賞する、休憩室を借りて昼食、昼食時間に在学生が趣向を凝らしてさらに交流を深める。そのあとオリエント博物館に。いっしょに学びあい、帰りも大学まで歩く。

さくらルーム.JPG

在学生有志35名が参加して、とにかく1年生50名が大学に早くなじめるように、同級生にも上級生にも気軽に話ができるように、一生懸命先輩ぶりを発揮してくれました。この日の目的は、十二分に果たせました。

実施後の週明けには1年生からコミュニケーションガイダンスの感想、意見が届き、文集ができました。この文集から、カルチュラルスタディーズコースの基礎ゼミは学習をはじめました。

すでに1か月がたちましたが、1年生の感想のなかから数編、紹介します。

●●●

大正大学、新入生コミュニケーションガイダンスで、カルチュラルスタディーズコースはサンシャイン通りに向かった。


朝、9時30分に集合し先生、先輩方と交流をし、B班として出発した。
まず1つ目にプラネタリウムの「星の島で恋をする」という題のもと、沖縄を中心とした映像を観ることができた。プラネタリウムは星を観るものだと考えていたが、沖縄の海はもちろん、魚や、野生の動物などを360度から観ることができ、感動した。また、上映前のアナウンスでは、「眠りについても良い」とアナウンスがあり、プラネタリウムを観ることは、ただ寝るのではなく、安心し、素敵な音楽にのって、体を休めることができる場所ということを伝えたのではないかと考えた。


そして、12時のお昼になり、朝頂いた2段箱のお弁当を、新入生のお友達、先生、そして先輩方と交流をしながらおいしく食べることができた。初めは、新入生も先輩方も知人とだけ話していたが、だんだんみんなで話すようになり、先輩方に大学のことや、これまでの大学の生活で学んで来たことを聞き、私も色々な目標、責任を感じることができた。先輩方は私たちのどんな質問にも正確に細かく教えてくださり、何年後か私もこのような先輩でいられたら良いと、1つ目標を立てることができた。


最後に交流の場である古代オリエント博物館に向かった。パンフレットを受け取り、中へ入ると、古代の像やテレビの上映などがあり、文字を読むことが得意でないことから、上映のおかげで、興味を持つことができた。展示品の中で興味を持ったのは、「古代オリエントのコイン」である。文字を読み、展示品を観察し、帰り際にパンフレットがあり、それをもとに感想を伝えたいと考えた。
 

コインの誕生は、純度にばらつきのある貴金属をいちいち確かめたり、計量する必要があった頃、一定の純度、重量の金属片をあらかじめ作り、保証した印を刻むというアイディアが生まれた。つまりこれが、コインの誕生である。ごく一部であるが、私がとても勉強になった一説であり、これらのおかげで、今の自分たちがあることが感じられた。

●●●

 コミュニケーションガイダンスを通して、感じたこと、考えたことが二つある。

まず一つ目は、コミュニケーションの楽しさである。自分はAO入試で入学をし、入試や事前登校等で顔見知りの人がいたが、他の入試方法で入学をした人と話すことができたのは、今回のガイダンスが初めてであった。

相手のことを何も知らない中、まずは自己紹介から始まり、たどたどしい言葉を使いながら、上手くコミュニケーションをとっていくうちに、お互いが自然と心を開き、いつの間にか笑いながら冗談などを言って楽しく話をすることができた。

このように人見知りである自分が初対面の人と楽しく話をすることができたのは、普段から心がけている自分から話しかけるということや、相手の話をしっかり聞くこと、またお互いに質問をするというコミュニケーションを上手くとることができたからである。今回、このような良いコミュニケーションをとれたということは、今後の大学生活にも良い影響を与えるし、社会に出たときにもこの経験は役立つので、このような機会を与えてもらえて良かった。

次に二つ目は、相手を受け入れること大切さである。今回のガイダンスではいろいろな人と話すことができた。その中で、自分とは違った考え方をする人や、自分にはない趣味を持った人など様々な人がいた。今までの自分は、考え方や趣味が全く異なる人とはあまり話をしたがらず、相手を受け入れようとしなかった。しかし今回、相手を受け入れて話を聞いてみたら、なるほどと思うことや共感できる部分があった。これを機に、今までの自分を見直し、相手を受け入れ、自分にはない発想や観点を吸収していこうと思った。そうすることで、自分の視野が広がり、物事のとらえ方も変わり、楽しさが増すと思うので、相手を受け入れることは大切だと分かった。

また、大切なことに気づくことができた上、何よりカルチュラルスタディーズコースのみんなと楽しむことができたので、参加できて良かったし、満足だ。

●●●

コミュニケーションガイダンスを終えて、私が特に印象に残ったのは行き帰りの道中や、休憩時間だった。

勿論、プラネタリウムや博物館もそれぞれの面白さがあったが、それらの目的地は手段として使ってしまったように思い返される。何の為の手段かといえば、まだあまり喋ったことのない人達とコミュニケーションを取るための手段である。

プラネタリウムではリクライニングシートに身を任せ、プラネタリウム自体に関係の無い話で盛り上がったり、博物館では展示されている物の価値や詳細などより、石像の形や顔の精悍さを比べてみたり、本来の楽しみ方とは離れていた。

しかし、そのおかげで一人では楽しむこともせずに事務的に見ていたかもしれない場所を、より印象的に覚えている。

プラネタリウムで話された春の星座では、はじめて北極星の位置の調べ方を学んだ。北斗七星の星と星の間隔分だけ北に二倍伸ばすのだそうだ。春にしし座が見えていることも驚きだった。私はしし座の夏生まれなので、てっきり夏の星座だと思っていたのだ。

その後に話された惑星の話では、生命の居る場所には水がある、という仮定を基に火星や木星の衛星であるエウロペについて知ることが出来た。隣では班が同じになって初めて喋ったクラスメイトが寝ていたことも同時に思い出す。

博物館では元々好きな世界史でやっていた地域のものが展示されていたが、いまいち価値は理解できなかった。だが、現代に続くポージングや、表現の仕方だと友人達と盛り上がったものや、綺麗な装飾品なども多く、有意義に見て回ることは出来たと思う。

こうして覚えることが出来たのも、道中で初対面ながらも仲良くしてくれた班のメンバーが居たからだと思う。カルスタのメンバーは気さくな人が多く、話しやすくて、誰と居ても楽しいと思える良さがある。それを今回のコミュニケーションガイダンスを通して知ることが出来、とても充実した一日だった。

●●●

全員の感想を紹介することができませんが、楽しいコミュニケーションガイダンスをともに過ごして、1年生たちは活発に交流しながら学び始めています。

1か月がすぎ、基礎ゼミはテーマを決めて論文を書く練習に入っています。

論文のルールを、この時期に徹底的に身につけます。学問のルールを習得して、不正とは無縁の考察力、論理構築力、文章表現力を養います。

どのようなテーマに1年生が取り組んでいるのか、また機会をあらためて紹介したいと思います。

良いスタートを切った1年生が、どんどん力をつけていくのが楽しみです。

伊藤淑子

 

GO TOP