学部・大学院FACULTY TAISHO
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国際文化コース
人文学科国際文化コースで学ぶこと⑧ オープンキャンパスQ&A
7月24日に開催されたオープンキャンパスで、たくさんの方たちに人文学科の体験型模擬授業に参加いただきました。午前中の国際文化コースの学びを中心とした授業は、食をテーマに展開しました。
何を食べるか、ということは、文化に深くかかわることです。
今年度の大正大学のオープンキャンパスのテーマは「SDGs」と「探究」です。
世界的に環境教育に尽力しているJane Goodallは、チンパンジー研究で有名な動物学者ですが、研究の動機となったことの一つに小説『ターザン』の影響を挙げています。このことから、授業の前半は、「ターザンは何を食べていたのか」ということを考えました。ディズニーのアニメーション映画『ターザン』は、ほとんど食べることを問題にしませんが、小説『ターザン』において、食べることは重要な要素です。
ターザンは最初は火で食べ物を料理することを知りません。人間が火でイノシシの肉を焼くのを見て、なぜせっかくの肉を台無し(ruin)するのだろうと不思議に思います。また、ジャングルの倫理(ethic)に従って生きてきたターザンにとって、空腹を満たすために命を奪うことは倫理にかなうことですが、人間を食べることはできません。理由がわからないまま、躊躇するのです。
自然と人間社会のはざまでアイデンティティの揺れるターザンは、食においても、大きな転換を迫られるのです。
そして現代に生きる私たちも、何を食べるか、倫理的な選択を突きつけられています。後半では、植物を基本とする新たな食文化について考えました。
環境への配慮なしに、経済的利益を求め、欲望の需要を満たすために畜産や養殖を行えば、地球の食物供給は破綻してしまいます。たくさんの穀物を家畜に与えて肉を得るのではなく、穀物を人の食料にするべきだと議論されています。
何を食べて生きるか、個人の自由であると同時に社会的な問題であり、文化的な価値観の問題でもあるといえるでしょう。一つのテーマからでも、多くの題材を探りだすことができます。そこから多角的な視点を引きだすことができます。
そのなかの一つの題材として、Jane Goodallに触発されて『ターザン』を取りあげ、原文から引用も示したのですが、複数の参加者から、国際文化コースの学びにおける英語の必要性について質問を受けました。
Q:高い英語力は国際文化コースに必須ですか?
A:Yesでもあり、Noでもある、というのが答えです。
国際文化コースはグローバルな視点で現代の問題を文化的に探究することを目的としています。しかし、英語をかならずしも必須の手段としない研究テーマを追究している学生もたくさんいます。
英語については、青から赤の光の帯のように考えていただければと思いますが、英語を鍛え、英語資料を使って研究、あるいは英語そのものを研究しようとする学生もいれば、英語は必要に応じて活用するという学生、あるいは、基本的に英語を研究言語として使用しないという学生もいます。
それぞれの研究のテーマと目的に合わせて、柔軟なカリキュラムを用意しています。
英語力を鍛錬したいという学生には、1年次から4年次まで、英語の読み書き聞き話す4技能のトレーニングができる選択プログラムがあります。
国際文化コースの学生たちがどのように学んでいるのか、またご紹介したいと思います。
国際文化コースは、「国際」的な視点で、「文化」に関するテーマをめぐる考察を展開していきます。ともに議論しながら、新しい視点を獲得し、学ぶ楽しさをたくさん経験したいと思います。
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