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社会福祉学科
大正大学社会福祉学会第35回大会報告
大正大学社会福祉学会第35回大会が2011(平成23)年7月10日(日)に開催されました。
大会は「留岡幸助の生涯から学ぶ」をテーマに、大阪府立大学名誉教授であり大正大学元教員の土井洋一先生と東京家庭学校校長松田雄年先生による対談形式で行われました。司会は本学准教授高橋一弘准教授が務めました。
また、途中から本学の卒業生・社会福祉法人北海道家庭学校児童自立支援部長 渡辺伊佐雄氏も対談に加わり、現在の北海道家庭学校の様子も聞くことができました。3人の先生方から留岡幸助の思想と実践の特徴が語られ、聴講の学生、卒業生など多くの人たちも真剣に聞き入っていました。
対談の後は、留岡幸助の生涯を描いた映画(監督山田火砂子 『大地の詩-留岡幸助物語』が上映されました。留岡幸助は少年感化を実現するために、アメリカで先進的な非行少年に対する施設運営を学び、北巣鴨の一角に「家庭学校」を開設しました。後に巣鴨の地が都会的になったため、大自然の中で農業と酪農で教育が行なえる理想の地北海道・遠軽に家庭学校を設立しました。北海道家庭学校は、今もなお受け継がれ、その土地は留岡という地名になって現在に至っています。
児童福祉実践にかけた先駆者である留岡幸助の生涯を振り返る対談と上映会を通して、現代の私たちは留岡幸助の考えをどのように受け止め、学び、そして今、何を行うべきか、大きな示唆が得られました。ある在学生は、留岡幸助の実践に深く感銘を受けたこと、可能であれば、将来は北海道家庭学校で子どもたちとともに、家庭的な生活を通して子どもの自立支援、またその家族支援をしていきたいと目標を語っていました。
なお本大会の対談の内容は、本学会誌『鴨台社会福祉学論集第21号』に掲載される予定です。是非お読みください。
本大会は卒業生をはじめ、近隣住民、学生も多数聴講に来て盛況でした。また大会終了後は懇親会が行われ、卒業生間で近況の報告を行い、旧交を温めることができました。
(文責 金 潔)